日本の学校では教えてくれない「一生使えるお金の基本」
『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』
お金の勉強は必須!なんで学校は教えないのだ!?

著者:アンドリュー・O・スミス
出版社:SB Creative 2019年、11月
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アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書p390ページ程あるそこそこの分量のある本です
『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』本のレビュー
5章、予算と支出の基本
予算とは、入ってくるお金の予定や、お金を使う計画のことをいう。予算を決める目的は、出ていくお金が入ってくるお金より少なくなるようにすることだ。そうすればもしもの時の備ができる。収入と支出を事前に把握していれば、ちょうどいいバランス保つことができる。予算内で生活する習慣を若いうちに確立できた人は、この先健全な財政を保つことができる。
予算設計の第一歩;全ての収入と全ての支出を把握してリスト化すること。区切りは1ヶ月ごと。そして1年先も見通す。まず過去の支出を把握し、向こう1年の支出の予想を。収入についても同じように。
いくつかのコツを教えよう↓
家賃にお金をかけすぎない;若いうちは、多少の住み難さや狭さはあっても工夫して家賃を押さえたほうがよい。
小さな出費に気を付ける;この種はいくらでもある。給料をもらうとお金を使いたくなってしまうが、ぐっと我慢し、若いうちに倹約生活を送っていれば、いずれ豊かな生活を楽しめるようになる。
もしもの備えを万全に;緊急事態費
お金の出入りに注意する;今から1ヶ月の出費をすべて記録してみよう。(一円単位まで厳密に)自分の支出パターンを知る。(家賃、通信費、食費、、、)
大きな出費についても考えておこう;自動車;本当に必要か?考えること。税金、維持費、駐車代、燃料とお金が出ていく。(自分の場合年間22万円ほどかかっている)買うときはローンでなく現金一括をオススメする。
失敗しないローン返済計画を;頭金は一般的に家の値段の25%ほど。修繕費、固定資産税(資産価格の0、5〜2%位)、保険料、家財道具。
賃貸と持ち家、どちらが得?;家を買うには、物件代金の他にもさまざまな手数料や税金がかかる。買った後に家の価値が上昇すればいいのだが、むしろ下がることも多い。また不動産の価値の推移も関係する。2008〜09年の暴落もあった。状況が異なるので、一概にはいえない。
疑問?;価格が安定した不動産物件の条件は?優良な学校の近くは安定した人気がある。タワーマンションの条件のいい場所は眺望という付加価値で、将来的にも価値が上がる可能性がある。立地、価値の高い人気、閑静な場所、駅の近く。他には
大学にかかるお金;
大学はとにかくお金がかかる。これを考えておくのは重要なこと。いろいろな種類があり、1番大きい学費、公立、私立、教科書代、交際費、家賃、生活費、返済型の奨学金(就職後に自分で・利息の付かないものも)、給付型の奨学金(これは大きいが成績優秀者)内容もよく変わるので、よく調べる。
・アメリカの私立大学の生活費を含めた年間の平均費用は500万円ほど(4年間で2000万円)返済型奨学金の支給平均額が220万円程。
・公立大学の場合;年間トータル費用が220万円、援助が平均66万円。親元から通えば抑えられる。
トータルで4年制大学にかかる費用は600万円〜2000万円。大学卒業の時点で平均して385万円の借金を背負うことになる。しかし大学にいくことは、人生でいちばん価値のある投資の一つといっていいだろう。大卒とそれ以外の人の収入は2倍の開きがあり、合計5500万円もの差があるという結果も出ている。つまりほとんどの人にとって、大学費用という投資は何倍にもなって返ってくるということだ。また、お金よりも、知的好奇心があり、責任感の強い大人になれ、社会に出て成功するのに欠かせない資質を得られる。
しかしすべての人にとって正しい選択というわけではない。
(私見;現代は大学に行かなくても勉強は工夫次第でいくらでもできるようになっていると思う。大学は交友関係や環境を買うようなものではないか?)
お金の計画をきちんと立てていれば、それほど心配はいらない。
教育費は全部でいくらかかるか;現代は子育てには莫大なコストがかかる。食事、住宅、交通、衣類、娯楽、習い事、医療など。アメリカの統計では18歳まで育てる費用(大学費用は含まない)は平均して25万ドル(2750万円)経済力に開きがあり1650万円〜5000万円である。
お金に心配のない人生を送るためには、慎重に予算を決め、ムダ遣いせず、精力的に貯金して、賢く投資することがカギになる
ものの値段はどう決まるのか;「価値」を構成する要素は2つ。「値段」と「質」。同じような値段であれば質の高い方を選ぶだろう(丈夫さ、デザイン、ランニングコストなど)
賢い消費者になるために;長く使うサービスの契約で気をつけたいこと(携帯、ジムなど)は解約料金があるか?いくらか?契約の自動更新はするのか?ということ。家電を買うのにも小売店の別の保証は必要ないことがほとんど。(たいてい1年のメーカー保証もある)
この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手にとってみてください。

著者:アンドリュー・O・スミス
出版社:SB Creative 2019年、11月
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アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書
6章、信用と借金の基本
何千年もの間、人類はほとんど進歩してこなかった。たいていの人はれきしの大部分で、生きるのがやっとという生活を送っていた。それを大きく変えたのが、民主的な『資本主義』と『産業革命」だ。
ここ2世紀ほどの間で、数十億もの人々が、貧困を脱して物質的な豊さを手に入れた。人類史において、人類がここまで豊になったことはない。それを可能にしたのが市場経済であり、そして市場経済の基本はお金の貸し借りだ。
市場経済を支えているものは「資本」。資本とは、当面必要となる以上に貯めた富のこと。たいていの場合、個人が資本を手に入れるまで長い年月がかかるが、運・能力・野心家・地位などある人は、普通の人より早く資本を手にできるかもしれない。この『資本』が自由経済の成長を成長させる燃料となる。
現代の自由経済では、たいてい金融機関が「資本を使う人」と「資本を持っている人」を結びつける役割を果たす。
この章では、もっとも一般的なローンを通して「資本を提供する」ことについてみていこう。
借金と返済;ローンとは、お金を持っている人が、お金が欲しい人に対して、ある一定の条件下でお金を貸すこと。もちろん必ず返さなくてはならない。正式なローンは書類などを取り交わす。個人が銀行からお金を借りる。返済期間1ヶ月〜数十年、一括、分割など様々。お金を借りると、借りた金額の他に「利息」も払わなければならない。(お金を借りるコスト)貸し手が利息を要求する3つの理由は、お金が返ってこない「信用リスク」の保証。利息がもらえないなら、わざわざ貸す意味はないから、お金を貸すというビジネスを運用するお金が必要だから。それ以外にも「取引コスト」という手数料が必要な場合も。
お金の時間価値;お金は利息を稼ぐことができるので、明日に手に入るお金よりも、今日持っているお金の方が価値がある。これをお金の「時間価値」という。例えば今日もらえる100ドルと5年後にもらえる100ドルでは、インフレによってものの価値は上がるので、5年後には値段が上がっているだろう。それに加えて、今日の100ドルは5年の間に利息を稼ぐこともできる。利息が10%の場合1年後には110ドルとなるから。
担保と返済;返済のリスクを小さくするもう一つの方法が「担保を取ることだ」。担保は土地などの何か価値のあるもので、もし貸したお金が返ってこなかったら、貸し手は代わりに担保を自分のものにできる。たとえばローンを組んで車を買う場合、車自体が担保になる。担保のないローンでは、借り手の「お金を返す能力」がとても重要になる。そこで貸し手は、かなりの手間をかけて、借り手の「お金を返す能力」を調べることになる。この調査を「審査」と呼ぶ。定職に就いているだけで通ることも、もっと詳しい審査もある。
住宅ローン;家を買うとき組むローンを「住宅ローン」と呼ぶ。アメリカでは住宅ローンの残高が約10兆円。アメリカの消費者にとって1番大きなローンになっている。住宅ローンでまず確認したいのが、固定金利か、それとも変動金利か?ということ。一般的に、変動金利の場合は最初の金利が低く抑えられ、年数が長くなるにつれて金利が上がっていく。他に考えることは、毎月少しずつ返済するか、返済期日に一括で返すか。また、ローンの「長さ」も大切で、5年か数十年単位か?ローンを組むときの手数料は入っているか?
家を担保にしてお金を借りることを「住宅担保ローン」という。→家を買って何年かローンを返済すると、返済した分は純粋に自分の所有物と認められ、その所有物の部分を担保にしてお金を借りるのが、住宅担保ローンだ。このお金で贅沢をするのは賢くない使い方だ。賢い消費者は、さらに家の価値を高めるために、修繕やリノベーションに使うだろう。不動産購入取引には、不動産仲介業者、司法書士、銀行など様々な人が関わるので、彼らに払う手数料はかなりの額になる。そして住宅ローンは住宅を担保としたローンなので、返済ができなくなると住宅は差し押さえられる。が、たいていの人はローンを組まなければ家を買うことができない。
金利と複利の仕組み;どんなローンであっても、借りたお金の利用料を払わなければならない。この利用料が「金利」だ。金利はたいてい「年に○%」という形で表される。借りたお金の全額は「元本」と呼ばれ、元本に利率をかけた額が利息だ。
例えば、利率が年に12%で元本は1000ドル、返済期間が1年の場合、1年間の利息は120ドルになる(一括返済)。つまり1年後に返す金額は1120ドルとなる。➡️これは「短利」計算。しかし単利で計算してくれる貸し手は家族か友人くらいだろう。
金融機関にお金を借りる場合「複利」となる、上記と同じ条件で利率が12%なので毎月1%ずつ複利で増えていく。1ヶ月目の利息を足すと1010ドル、2ヶ月目は1010ドル10セント、1年すると1126ドル84セントまで増えている。単利との差は約7ドル。複利の場合本当の金利は12%ではなく12、68%だ。この本当の金利を「実行金利」と呼ぶ。

著者:アンドリュー・O・スミス
出版社:SB Creative 2019年、11月
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アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書
次に1日ごとの複利で計算してみると、1日約0.329%の複利で1年借りたとすると、1127、47ドルとなる。実行金利が12、75%となる。ほとんどの金融機関はこの、1日ごとの金利を使ってローンなどの計算をしている。
住宅ローンは月ごとの金利で計算することが一般的。これに手数料などのコストを加えた実質的な年利をARPと呼ぶ。ARPが分かれば、本当に払う金額がわかるので、ローンの比較がしやすい。
償却とは;返済期間中に元本の一部、あるいは全部の返済が終わる事を「償却」という。
住宅ローンの返済期間と利息の総額の関係(だいたい);1000万円/年利4%
返済期間10年=利息は215万円。20年=454万円。30年=718万円にもなる。
クレジットカードの得する使い方;一括払いか、分割払いかの選択肢があり。分割払いは自動的に借金となり、利息を取られることになる。大手はVISA,マスターカード、アメリカンエキスプレス、ディスカバーなど。自分の店でクレジットカードを使えるようにするにはカード会社に3%程の手数量が必要となる。カード発行会社はお客が買い物をした時点で購入先に代金を払うが、お客に利用料を請求するのは月1回、つまりお客は、クレジット会社に短期の借金をしているということになる。アメリカの1/3の利用者は一括の利用でカード会社から無利子で借金をしているのと同じことになる。買い物で残高を翌月以降に持ち越せばカード会社に利息を払うことになる。カードの金利はとても高い、年に12〜24%。便利であるが、安易にカードで買いものして借金を増やしていくと首が回らなくなる。
よく覚えておいてもらいたいのは「クレジットカードはいつも1回払いにすること!」本当の緊急時であれば仕方ないが、それ以外は絶対に残高を翌月以降に持ち越してはいけない。
また、自分に合ったカードを賢く選ぶこと(年会費、ポイント還元率、金利の低いカード)
自動車ローン;多くは「リコースローン」その車を担保になり、それを売却してもローン残高がなくならなかったら、残りのローンを払わなければならない。<>ディラー提携のローンに多い「ノンリコースローン」は自動車を差し出せば返済義務からは解消されるが、金利は高くなる。
その他の個人ローン;たいていの場合、担保は要求されないが、借り手は自分に安定した収入がある事を証明し、高い利息となる。
「信用」どう数値化されるか?;ローン申込者の返済履歴や借入れ状況。クレジットヒストリー、利用記録、差し押さえ記録、信用情報で特に大事なのが「クレジットスコア」というもの。ローン会社やカード会社、雇用主や保険会社もあなたの信用情報をチェックしている。(FICOスコア)
使ってはいけないローン;ペイデイローンは一見、給料を早くもらうだけのようだが、利息が高い、かなり割りに合わず、高くつく。できるだけ避けるのが賢明。
債権回収の恐怖;借金取り立てのこと。貸し手が「この借り手はもう返済できない」と判断すると、借金取り立てを専門とする他の会社に債券(借金を返してもらう権利)を売却したりする。回収業者の取り立ては厳しいものとなる。
責任のあるお金の使い方;簡単にローンを組んだり、カードで買い物ができるために、中には返済能力を超えた借金をしてしまう人がいる。まさかの事態も起こりうる。借金は人間関係を悪化させ、本人の幸福感も著しく低下する。慎重に、なるべく小額に、返済期間を短く、現実的なプランを。
7章、破産の基本
お金の知識を身につける大切さ➡️人生の目標を達成する助けになること。お金の問題は。夢の実現をはばむ大きな原因となる。たとえきちんと計画を立てていても、思いがけない出来事(病気、事故、)仕事ができず、高額の医療費という事態も。大切なのは目をそらさずきちんと対処すること、問題があまりにも大きいなら「破産」という方法もある事を知っておくといい。
最後のカードはなぜ破産なのか?;大恐慌後、アメリカでは近代的な破産のシステムが確立した。(以前は、牢屋、死刑も)「破産」とは、借金が免除される、あるいは大幅に減額されるための法的な手続きだ。やむにやまれぬ事情で借金が返せなくなった人も、重荷から解放され新しい人生を始めることができる。借金は帳消しにされ、資産と収入は維持できるので、すぐに立ち直ってまっとうな生活を送ることができる。破産によって損をするのは貸し手だ。
借金問題で犠牲になるのは、たいてい低収入でお金の知識が乏しい個人だ。破産という制度は、両者の力のアンバランスを是正する働きもある。
破産すると人生はこうなる;借金の取り立てがなくなり、給料が差し押さえられる心配もない。車や家が取られることもない。5〜10年は破産の記録が残され、信用取引が難しくなる。新しい仕事を見つける場合には、(聞かれたら)破産について正直に話すのがいいだろう。言い訳をするのではなく、もう2度と同じ失敗をしないために自分が心掛けている事を話した方がいい。浪費癖を改め、身の丈に合った生活を送り、借金はしない。そうやって健全な金銭感覚を身につければ、破産が与えてくれたチャンスを生かして、充実した新しい人生を送ることができるだろう。
8章、投資の基本
貯金がある程度の額になったら、今度はお金を育てることを考えよう。

著者:アンドリュー・O・スミス
出版社:SB Creative 2019年、11月
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9章、金融詐欺の基本
10章、保険の基本
11章、税金の基本
12章、社会福祉の基本
13章、法律と契約の基本
14章、老後資産の基本