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本のレビュー:「株式投資勉強してみた」資産形成 中編「FIRE」

こんにちは、「環境デザイン研究所」チラボンです。

「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」という本の紹介。後半です。

Amazonで調べる↓ 出版;2020年、7月

本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法

 

著者:穂高 唯希さん

三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイヤ目指した

理由は「何時に起き、何時にどこへ行き、何時に帰り、そもそもどこに住むのか?」これらすべてを自分で決めたかった。

入社初日に早期リタイヤを決意。7年半後の30歳で達成したというお話です。

本のレビュー:「本気でFIREをめざす人のための資産形成入門」 中編

高配当株・連続増配株への投資には米国株が有力

この手法では、米国株を主力銘柄として考えていただきたいと思います。

日本にもこのような株は存在しますが、高い競争力・収益力を背景とした連続増配株は、米国株が傑出しています。「年次報告書(企業の売り上げや利益に加えて、1年間どのような企業活動をしてきたかを報告する文書)」を見ても、米国主要企業の収益力の高さと確固たる増配実績に目を奪われました。収益力とは効率的に利益を創出する力、つまり稼ぐ力。増配とは、配当を増やすこと。配当は主に利益を源泉とするので、稼ぐ力が高ければ、配当を増やす潜在的な力が高いことを意味します。

「稼ぐ力」を図るひとつの指標「営業利益率」=「営業利益➗売上高」=「売上高当たりの営業利益」

日本の全産業の営業利益率は4、3%(過去3年平均)

米国主要企業の営業利益率は約5倍の20%以上

アルトリア・グループ:50,2%が(タバコ)

アッヴィ:      32、1%  (製薬)

デュークエナジー:  23,1%  (電力)

ジョンソン&ジョンソン:24、5% (製薬・医療・ヘルスケア)

ベライゾン・コミュニケーション:22、3%(通信)

シュミレーション;(S&P500)日本の平均的なサラリーマン(20代年収330万円)がこれ(手取り収入の8割投資、月約20万円)をすると20年間、40歳で金融資産4000万円。(ここで月13万の配当金)支出を月15万円から10万に減らせば金融資産は6,000万円に(配当金月20万円)

基礎的な3つの柱「適切な投資対象」「継続的な入金による株式購入」「支出の最適化」(ITバブル崩壊後や、リーマンショック後は、暴落前の水準まで戻るのに7年ほど要しており、そのような株価低迷期にも愚直に継続して株式を購入することが本シュミレーションの前提条件)

米国株が今後も長期的には上昇すると期待される、次のような象徴要素(もちろん保証はないが)

長期的な増配に裏付けされた長期にわたる成長;増配するには「収益力」や「自社株買いによる1株あたりの価値向上」が必要。増配実績は、これら条件が過去において満たされてきたことを示す。

②株主還元に対する積極的な姿勢;明瞭かつ積極的。多くの日本企業とは対照的。減配に至らないケースも見られる。フリーキャッシュフローの明記(収益から投資額を差し引いた、自由に使える現金のこと)J&Jは「10年でフリーキャッシュフローのどの程度を株主に還元し、何年増配を続けてきたのか」が全て年次報告書に記載されています。

例;70年以上にわたり減配なき電力会社、サザン・カンパニー

テクノロジー、インターネットの普及により投資が可能に‼︎この10年ほどで→株式投資は、社会地位など関係なく、平等にその恩恵を享受できる機会が開かれているフラットな世界です。→安価な手数料で誰でも簡単にインターネットで米国株が購入できるようになりました。分水嶺は「知っているか、やるか、やらないか」という段階の、恵まれた環境にあるのです。ちなみに中国では、基本的に外国の株式は購入できないように規制されています。対して日本はインターネットで証券口座を開設すれば、投資できる環境が整っています。これからは、自己責任・自己努力で資産を形成することが、これからの時代を生きる上で大切になってくるのではないかと思います。

3、お金自動発生マシンを組み立てよう

証券会社はこの3社からチョイス(ネット証券=手数料が安い)

・SBI証券 ・楽天証券 ・マネックス証券(手数料はほぼ同じ)

各社特徴:強み

SBI証券;「為替手数料と自動積立サービス」に強み;住信SBIネット銀行を開設すればベイドル・円の為替手数料が片道4銭で済む(他は25銭)。また定期的に買い付けたい銘柄を、買い付け日、金額または株数を指定でき毎月の設定日に自動で注文可能。

(ADRとは;米国預託証券。米国外の企業が発行した株式を裏付けとして米国で発行される有価証券。米国市場の上場株式のうち、米国外企業の株式というイメージです。)

楽天証券;楽天経済圏におけるポイント活用に強み。楽天スーパーポイントを、国内株式の買い付けに利用できます。(スマホアプリで日本経済新聞が無料で読める)

マネックス証券;取り扱い個別銘柄の多さ。マニアックな銘柄。例えばARCC(エイリス・キャピタル・コーポレーション)という、主に中堅・新興企業に対して投融資を行う業態の米国高配当銘柄があります。

著者個人的にはSBI証券をメイン口座としています。(米国株+香港株やベトナム株にも少し投資をしてるので)楽天、マネックス証券をサブ口座として利用。どの会社が良質なサービスを先んじて開始するかわからないので、随時使い分ける。

 

この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手にとってみてください。

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本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法

著者:穂高 唯希さん

積立NISAやNISA・イデコ(自分年金)活用術

日本における個人投資家向けの『投資優遇制度」として3つがある。

私がブログを継続して発信するモチベーションの背景でもある「日・米・英国の家計金融資産推移」にふれます。私は多くの方が株式投資を通じて資本主義の果実を享受することによって、閉塞感を打ち破れるのではないかと思う時もあるのです。

日本で2014年に開始された「NISA」という制度は、英国で一般投資家向け貯蓄支援を目的として実施されている「ISA」(1999年〜)をモデルに策定されました。非課税枠は260万円、投資可能期間の恒久化、成人人口の約半数利用、資産形成手段として広く認知・利用されています。

日本の「投資」のイメージ「ギャンブル」「博打」「財テク」徐々に変わりつつあるものの。欧米では株式投資が「資産形成に資するもの」として日本より広く理解されているようです。私はこの日本における金融リテラシーに関する現状はもったいない機会損失を産んでいると思います。

預貯金で滞留する日本の家計金融資産:メガバンクでも低金利の0,001%に預け入れている。米国S&P500の実質リターンは年率7.7%であったのに。

米国は日本のイデコのモデルの「401」やIRAがあり、制度が浸透している。米国では「多くの人が投資する→株価が上がる→(財産・資産)所得が上がる→さらに投資ができる・・・」という理想的なスパイラルが顕著です。

日本の家計金融資産が預貯金に大きく偏り、株式に占める割合が低い。➡️金融庁もこの事実を認識・憂慮しており、NISA発足に至った背景ともなっています。

それぞれのメリット、デメリット。

積立NISAは20年非課税にメリットがある一方、年40万円まで非課税。個別株の投資はできない。

一般NISAは5年間非課税と短いが、年120万円まで非課税

イデコ(自分年金)は節税メリットがある一方、払い出し可能があれば60歳まで拘束される。

多くの人にとって使い勝手がいいのは、つみたてNISAではないでしょうか。20年間という長い視点で長期的にコツコツ積み立てる形で取り組め、長期であることで、利益を出す可能性も高まるから。一般NISAは、どちらかというと玄人向けです。

NISAは損益通算できないというデメリット;「運用益(譲渡所得や配当所得)に対して非課税となる一方、損失計上の際に他銘柄の利益と損益通算できない」例、NISA以外で保有している銘柄で50万円の利益を確定したとし、NISAで保有している銘柄で50万円の損失を確定したとします。すると、NISA銘柄は損益通算不可であるため、利益は50万円のママ、利益50万円に対して譲渡税が発生します。

どちらが適している?

つみたてNISA向きの人;配当にこだわらず、あくまで老後の資産形成目的など長期的に資産の最大化を目指す人や、資産形成したいが、あまり投資に時間をかけたくない人に

私はこっち➡️一般NISA向きの人;個別株やETFで配当金というキャッシュフローを最大化したい人。高配当株・連続増配株などで配当金を積み上げ、近い将来にキャッシュフローを増やすことで、人生の選択肢を増やしたり、セミリタイヤ・FIREやアーリーリタイヤを目指したい方。

つみたてNISAの活用術;対象商品は投資信託や一部ETF。個別株はできない。長期的なつみたてによる分散投資でリスクを減らせる。投資信託は、(ETFや個別株と違い)自動積み立てができる証券会社が多く、一度積み立て設定をすれば、あとは自動に積み立てられるため、時間と手間が省けます。運用期間が長いため損益通算不可というデメリットが生じる可能性が一般よりも相対的に低くなる。老後の資産形成など長期的に将来資産の最大化を目指したい方はこちらが向いています。

一般NISAの活用術;私が考える最大の特徴は、配当金という定期的な不労所得・キャッシュフローを最大化できることにあります。例えばARCCという米国高配当銘柄に投資した場合。(不況に弱いなどリスクはあるが9%近い)こういった企業に一般NISA枠として。

例えば120万円を高配当利回り9%のARCCに投じた場合;米国株は、配当に対して日本国内の所得税・住民税20,315%と10%の米国における源泉徴収がなされます(この10%の源泉徴収は、所得によって、確定申告・外国税控除の利用により、還付されることもあります。)非NISAの場合の税引き後の配当金は77450円に対し、一般NISA枠であれば日本国内の約20%が免除となるため97200円と2万円近い差となる。これは小さくありません。

一般NISAは、配当金を最大化したい人に向いています。5年という短期間で運用し、売却益を非課税にしたい人にも。ちなみに私は、今まで一般NISAで高配当株に投じ、配当収入の最大化に腐心してきました。近い将来の配当収入を増やしたい方にオススメするのは、一般NISAです。

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本気でFIREをめざす人のための資産形成入門 30歳でセミリタイアした私の高配当・増配株投資法

著者:穂高 唯希さん

iDeCoイデコについて

個人型確定拠出年金;自分で作る年金制度です。➡️60歳まで積立てた資金は、引き出せないという資金拘束性があることを知っておくこと。

加入者が毎月一定の金額を積み立て、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用し、税制優遇を享受した上で、60歳以降に「自分年金」として。年金または一時金で受け取ります。(対象は日本在住の20〜60歳未満の方、誰でも始められる)

税制優遇メリット3つ

1、積立金額すべてが「所得控除」の対象で、所得税・住民税が節税可能。

2、運用で得た定期預金利息や投資信託運用益が「非課税」

3、受け取る時「公的年金等控除」「退職所得控除」の対象となる。

掛け金の上限金額は、月額、公務員1、2万円、自営業6、8万円までなど決まっている。調べてみてください。(職業別にみる掛け金の拠出額の上限)

イデコの活用可否は、当人の価値観で大きく変わる

適した人;純粋に老後のための資産形成をしたい。公的年金制度だけでなく「自分年金」を構築して豊な老後を迎えたい。

向かない人;老後よりむしろ今を豊にしたい。老後より今のキャッシュフローを増やしたい、→FIREをめざす人。最大のデメリットが「60歳まで引き出せない」から(若い時にその資金を活用・運用できない)

このあたりは、各人の年齢・お金・時間に対する価値観によって大きく違うため、ご自身の価値観に合致した形で選択するのが良いと思います。

増配し続ける企業群に焦点を当てて

配当金の性質;これは打ち出の小槌ではなく、基本的にきちんと利益があって初めて、それを株主に還元できるもの

貸借対照表(バランスシート)で「株主資本」があり、それを構成する要素の1つとして「利益余剰金」があります。通常、配当金は、この利益余剰金という「株主資本」から払い出せれます。➡️つまり、「株主に帰属する資本」ということです。要は元々株主に帰属するお金が配当金という形で株主に払い出されるわけです。

企業は配当を支払うことでその分の株価は下がっている。また配当を吐き出すたびに課税されている。なので理論上税引き後のトータルリターンが下がる要素になり得る。という性質と注意点も踏まえた上で。

➡️配当金の主たる源泉は、利益。=「増配は過去の堅調な利益を上げてきた」推移を示唆。

米国の「増配を長期にわたって続けた企業(連続増配企業)」の多さに焦点を当てます。

米国企業には通称「配当王(Dividend Kings)」、「配当貴族(Dividend Aristocrats)」という称号が存在します。

・配当王:連続増配50年以上 現在で29企業 例;P&G(アリエール、レノア、ファブリーズ、、)3M(ポストイット、マスキングテープ、、)ジョンソン&ジョンソン(バンドエイド、ニベア、コンタクトレンズ、、)コカ・コーラ(綾鷹、アクエリアス、爽健美茶、、)

・配当貴族:連続増配25年以上 109企業

私たちが普段何気なく買っている商品が生む利潤は、米国企業が握ります。売り上げに貢献している。一方株主になれば利潤の一部を乾留することも可能になる側面もある。

連続増配企業に投資する最大の魅力はズバリ!景気後退(リセッション)や金融危機(リーマンショック等)の相場状況に関わらず、歴年の増配を重ねてきた点に尽きます。市場全体的に株価が下落する局面がある。この時、株式を保有している限りはどうしても値下がりに見舞われます。しかしそんな中でも、増配を積み重ねてきたのが上記のような企業郡です。株価が下がっても配当が下がりにくいという下方硬直性が過去見られたということです。これは1つの安心材料となる。

精神面でのメリット;長期投資を続ける際に肝になってくるのは、下落相場です。資産が目減りするため、精神的に耐えきれず、損切りして資金を引き揚げ、株式市場から撤退してしまいがちです。しかし、株価が下がっている時こそ、配当金を再投資することで、より多くの株式を購入できるという恩恵を見出すことができます。この精神面でのメリットは大きく、下げ相場でこそ配当金というキャッシュフローは輝くのです。

配当金を重視した投資の特徴として「相場が上がっても、下がってもうれしい」と思える点。リッセッション等の外部環境の悪化に際しても増配し続けてきた実績は投資銘柄を選ぶ理由の一つ。

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著者:穂高 唯希さん

資産運用に馴染みのない方でも取り組みやすい投資対象について詳しく説明していきます。

米国株ETFを買い続けるのが1番簡単(なじみのない方にも取り組みやすい投資対象)

ETFとは;「Exchange Traded Fund」の」略で上場投資信託のこと。TOPIXの値動きとほぼ同じ値動きをするように運用されています。(日経平均株価、NYダウにも連動)1名柄に投資すれば分散投資が可能。

(平たく言うと、例えば、トヨタ、ドコモ、三菱UFJなど多数の日本の上場企業にまるっと一気に投資できる金融商品)

ETFは、日本株式だけでなく、日本債券、外国株式や外国債券、REIT(不動産投資信託)、商品(コモディティ)等、様々な指数に連動するものがあり、海外資産や商品にも手軽に投資することができます。

(他の記事;ETFが「20世紀最大の発明の1つ」と言われる複雑な仕組み)

TOPIXとは;東京証券取引所によって発表される、東証第一部の全銘柄の動きを反映した株価指数のこと。(東証株価指数)

魅力は低コストで分散投資できること;ETFを1つ買うと、数十・数百の企業に分散投資したことになる。一つの企業が倒産することはあるが、分散することで、リスクを大幅に減らすことができる。

こういったETFをわずか0.1%以下の手数料で数多く組成しているのが、米国の資産運用会社です。米国においてETFを組成する資産運用会社は主に次の3つがあります。

1、ブラックロック 2、ザ・バンガード・グループ 3、ステート・ストリート

この3大資産運用会社が組成するETFは、基本的に低コストで分散を図れるのが多数揃えられています。巨額の資産運用も背景に、手数料(経費率)が安く抑えられています。日本の一部の金融機関のように、高い手数料を取られることはありません。

分散投資によって個社の業績によるリスクは分散されているため、個社の決算や経営状況をチェックする必要はありません。またSBIが提供す流「ETF自動積立サービス」を一度設定すれば、定期的に自動買い付けが行われ、自動的にETFの分配金が振り込まれます。これは定期的に振り込まれる不労所得・キャッシュフローとなります。時間も手間もあまりかからないということです。

私は投資が半ば趣味化しており、一定時間を「個々の企業分析」に割くことが苦痛ではないため、個別投資もしています。しかし、1つみなさんに知っていただきたいのは、「時間をかけたからと言って、企業の業績や財務状況を深く知っているからと言って、投資収益(リターン)に直結するとは限らない」ということです。もちろん知っておくのに越したことはことはありません。それが株式投資です。未来を読み切ることはできないからです。

株式投資には一種の「あきらめ」も必要。未来の株価や業績を見通すことは不可能である、と積極的にあきらめることも必要です。この観点からも、ETFには合理性があります。あまり考えず、自動化し積み立てること。これは一種のあきらめ。「自分の株式投資における力量や運」にかけることをあきらめて、市場に満遍なく投資することで、高い時間対効果を期待することがETFの投資でもあるから。

ETFは市場に広く分散して投資するもの。未来の明るい国(右肩上がりで成長している経済)へ投資すること=米国株に投資ということになる。それは過去右肩上がりで、今後も下落局面を挟みつつも長期的には右肩上がりを最も期待できる国である、と思わせるに足る要素が現時点では多いからです。

ETFを利用することで、ある国の株式市場にまんべんなく投資するということは、その国の企業の将来に賭けることを意味します。その国の株式全体に連動・関わっているから。よって、市場の明るいと思われる国の企業へ分散投資しているETFに投資しましょうということです。そしてそれは現時点では米国であると私は考えています。(データに基づいているし他の人もよく言っている)ゆえに、米国株に広く分散されたETFへの投資が有力です。

ETFの人気は過熱化、そのデメリットは?

もう一つの注意点として、ETFが市場最大に人気化していることです。それは逆にデメリットになります。簡単にできてしまう仕組みなので、多くの人が殺到し購入することで、その企業の実態とかけ離れて高い株価になってしまう可能性があるからです。

元来、投資家全体が債務状況や業績をチェックして購入するケースよりも市場メカニズムが働きません。;企業の実態に合わせて適正な株価を形成するという、値付け機能です。人気の過熱化し、何らかの事象がきっかけで、急速に適正な株価に揺り戻される事態が起こり得ます。それはつまり暴落です。このようにETFは完全無欠の商品でないことは、頭の片隅においておきたいところです。

このようなデメリットがあるもののETFはやはり優れた商品です。有力な投資対象であることに変わりはありません。

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著者:穂高 唯希さん

 

ではどのようなETFが候補となるのかを紹介します。私が推すのは次の3つの米国高配当ETFです。米国の3大資産運用会社

1、VYM(バンガード);銘柄数=399、年率リターン=6.87%

2、HDV(ブラックロック)=75  =8.95%

3、SPYD(ステート・ストリート)=80  8.44%

米国高配当ETFとは、米国の高配当株式に分散投資されたETFです。カッコ内はそのETFを組成する資産運用会社です。

ETFを評価する際に見ておきたいポイント;1、設定日・過去最大ドローダウン・過去株価下落率 2、銘柄数(分散度合い)(50以上であれば分散は図れている) 3、経費率(手数料水準・保有時コスト)(0.1%以下のものを)(1%の投資信託もあるが問答無用でいらない) 4、過去設定来リターン・株価推移 5、連動する指数から著しく乖離していないか(0.3%以下であれば○) 6、配当利回り(四半期ごとに分配、課税あり) 7、資産運用会社・流動性 8、構成銘柄 9、セクター構成

バンガードは2007年6月〜2009年2月のリーマンショックの大暴落時には最大半分(下落率53%)となっている。その時の配当金は31%の減少であった。(最大下落率は心の準備として知っておきたい)(配当金は株価に比べ下がりにくい傾向がある)

(課税の繰延効果とは;「分配金は出るごとに都度課税されるのに対し、分配金のない商品の場合、課税されないため、最終年度に利益確定できた場合に、課税が先送りされること」をいいます。)

現時点で直近の配当金を最大化したい方はSPYDが向いているといえます。対して30年ほどの長期投資前提で6%の良好リターンを想定する場合はVYMが向いているといえます。あくまで理論は理論ですので自己責任で。

資産運用会社が倒産してしまったら?;米国株の場合DTC(Depository Trust Corporation)という形で顧客の資産は運用会社とは別に保全される方法が採られているため、特段問題ないと考えられています。紹介した3社であれば、商品に対する信頼性としては現時点で問題はないでしょう。

ETFをチェックする際には、「流動性」(売買が成立した量を示す言葉)の有無についても把握しておきたいところです。流動性が低いと、希望する取引所価格で売買が成立しないことがあるので注意が必要です。ただし、これら米国3大資産運用会社か組成するETFであれば、流動性は基本的に問題ないと考えられます。

チェックポイント:構成銘柄上位10社と構成比率。どのような企業が入っているか、また構成の割合が異なっている。例;HDVは上位10名柄で占める構成割合が低いから61、6%と非常に高く、構成に偏りが見られ、VYMは26、5%、SPYDは15、3%で平均分散型と呼ばれるETFだけにほぼ均等に分散されています。このように同じ高配当株ETFといっても、三者三様の構成要素となっています。

チェックポイント:セクター構成業種・産業分類のこと;米国株は次のような11のセクターで区分されています。1、生活必需品(代表銘柄;プロクター&ギャンブル、コカ・コーラ) 2、ヘルスケア(ジョンソン&ジョンソン、ファイザー) 3、公共事業(デュークエナジー、サザンカンパニー)4、情報技術(アップル、マイクロソフト)5、資本財(スリーエム、ボーイング)6、エネルギー(エクソンモービル、シェブロン)7、通信サービス(アルファベット=グーグル、フェイスブック)8、一般消費財(アマゾン、ウォルト・ディズニー)9、金融(JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス)10、素材(デュポン、ダウ・ケミカル)11、不動産(アメリカン・タワー、サイモン・プロパティー)

それそれセクタ構成の特徴がある;SPYDは不動産が多く、HDVはエネルギーが多く、VYMは金融が多い

SPYDに多い不動産セクターの特徴として;S&Pと比べて、景気後退期・不況期に強かった。比較的、景気変動を受けにくいとされているのが「リート(REIT=不動産を証券化した金融商品)」の特徴です。

HDVに多いエネルギーセクターの特徴;商品市況(オイルメジャーの生産、輸送、精製、販売等)に影響される。WTI(原油先物価格)との株価の連動性が高い。

VYMに多い金融セクターの特徴;金利や中央銀行の金融政策(制作金利)に左右される。短期金利はFRB(連邦準備制度理事会)という中央銀行(日本で言うところの日本銀行)の金融政策によってコントロールされています。金融セクターの代表的な銘柄の株価と金利は高い相関性を示している。→政策金利(短期金利)つまり中央銀行の金融政策に株価が連動しやすい傾向が見られます。

これらのポイントを踏まえた上でのそれぞれのメリット・デメリット

SPYD:配当利回りが最も高く、近い将来の配当を最大化しやすい傾向。組入銘柄数(80)が少ないことから値動きが大きくなりえる(精神面で少しマイナス)

HDY:財務良好な銘柄が主体の「利回り上位75社銘柄」で構成されている。銘柄やセクターが偏る傾向がデメリット

VYM:運用期間が長く、データ実績が豊富。銘柄数が最多で安定感。デメリットは近い将来の配当は最大化しにくい傾向。

私の投資方法は

配当金を重視、高配当株や連続増配株を主体とし、リートやインフラファンドなどにも分散されたポートフォリオを築くことで定期的な不労所得・キャッシュフローとなる配当を得て、基本的にどのような局面でも(特に下落局面で)配当再投資を含めて定期的に資金を投下していく。」というもの

2010年代は投資家にとって大順風の相場環境でした。景気サイクルの観点から、今後いずれ調整を迎える局面は程度の差こそあれ訪れます。

 

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著者:穂高 唯希さん

4、お金自動発生マシンを強化する

ここからは応用編ということで、自動的に分散してくれるETFだけでは物足りない方、あるいは株式投資に深く興味をお持ちの方や、自分好みのポートフォリオをデザインしたい方、毎月機械的に積立てるよりも、効率的に購入タイミングを図りたいなど、主に中級者以上向けに、ETFでなく個別株のセンダー紹介や購入タイミングの目安などを紹介していきます。

ただ、繰り返しになりますが、投資に割く時間があまりない、投資が趣味ではない方は、ETFへの機械的な積み立て投資でも、時間対効果の高い資産運用が十分可能ですし、そのほうがリターンが高い可能性も大いにあることを念のため申し添えておきます。

個別株の魅力は次の3点
1、市場平均を上回るリターンを達成できる可能性を秘めている
2、高配当の個別株に投資することで、配当収入の最大化を図ることができる。
3、単純に楽しい

続く・・・・・・・。

5、資産形成は目的でなく手段