「共に支え合って暮らそうと決めた私たちなのに、どうしてこんなにコミュニケーションがうまくいかないのだろう・・・・」
本性は、夫婦やカップルが必ず出会うこのような問題について、日常的な夫婦関係とコミュニケーションの視点からその現実と取り組み方を伝えてくれる案内書です。

『夫婦・カップルのためのアサーション』: 自分もパートナーも大切にする自己表現
著者:野末 武義 2015/8/18 出版
Amazonで調べる↓
夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現本書を通して読者のみなさんが自分とパートナーの関係を見つめ直し、より親密なコミュニケーションができるようになることを願っております。
現在、結婚している夫婦を念頭に書かれていますが、これから結婚、または再婚を考えているカップルにとっても、現実的に起こりうることをあらかじめ知っておき心の準備をしておくことで、葛藤や問題が生じた時により冷静に対処することができます。
著者:野末 武義さん
非常に面倒くさいことの繰り返しが夫婦という関係だとも言えるでしょう。「めんどくさいな」と思いながらも、自分のこと、パートナーのこと、そして二人の関係を見つめ直し、少し前向きにパートナーとのコミュニケーションに取り組む気持ちになってくだされば、著者としてこんな嬉しいことはありません
家族関係のカウンセリングとアサーションという自己表現の支援を行ってきた、家族とコミュニケーションの専門家であり、とりわけ夫婦・カップル・セラピーには長年の研究と実績を持つベテランの臨床家です。
前書き;紹介文 平木 典子(統合的心理療法研究所所長)
本書は著者の経験をもとにした多数の日常的な例を活用しながら、夫婦関係とコミュニケーションをつないで整理し、説明してくれています。
地球規模の変化と不確実な今を生きる現代の夫婦・カップルにとって、本書に出てくる多くのカップルの経験や相談から得られるヒントは、互いを支え合い、自分たちにあった生き方を選ぶ大きな助けとなるでしょう
夫婦の行き詰まりを解決し、より親密で充実した関係をつくりたいと願うカップルはもちろん、結婚を考えているカップルにも一読をお勧めします。
(私見;年齢や出産による、女性のホルモンバランスの変化による感情の変化を知りたい。夫への愛情曲線)

女性の夫への愛情曲線で、出産前後(乳幼児期まで)の夫の自分に対して、また子育てに関して愛情を示し行動をしてくれたかで、夫への愛情の回復グループと低迷グループに別れてしまうというのです。
夫婦・カップルのためのコミュニケーション
4章 夫婦・カップルにおける悪循環
カップルが様々な葛藤や問題に直面したとき。互いに解決しようと頑張れば頑張るほどお互いのストレスは高まり、いっそうこじれてしまうという悪循環に陥ることも珍しくありません。これをカップルダンスと呼びます。二人が心地よいダンスを踊るためには二人それぞれのステップを変化させる必要があるのです。
衝突のダンス;お互いに自分を正当化して相手を責めるパターン。パートナーが変わるべき。攻撃的な言動。実は根底にはパートナーに認めてほしい(理解、共感、甘えたい)。話し合おうとするといつも喧嘩に。
距離をとるダンス;二人が葛藤や問題に直面すると、お互いに自分の気持ちや考えを率直にパートナーに伝えないで、自分の心にしまい込みます。お互いに言いたいことをオープンに言えない。それぞれが少しずつ自分の気持ちや考えをパートナーに伝えられるようになることが必要です。
追跡者・回避者のダンス;二人が葛藤や問題に直面すると、一方がパートナーに向かっていき(追跡者)、他方は逃げようとする(回避者)というパターンです。追跡者は感情的になる傾向。これもお互いバランスをとり、歩み寄る必要がある。
過剰機能・過少機能のダンス;しっかり者とダメなパートナーの夫婦に見られる悪循環です。ダメなパートナーががんばらなくてもすんでしまう(自立を恐れ、依存的な立場にとどまる)。しっかり者は過度に自立的な立場にとどまってしまい、自分に依存するパートナーを必要としている。
三角関係化のダンス;カップルの間に問題や葛藤が生じたときに、第三者を巻き込むというパターン。最もよく巻き込まれるのが子供。ストレスのはけ口として、母親が子供を巻き込むことが起こりがちです。「母親と子供」対「父親」という2対1の敵対関係になりがちです。このような夫婦の葛藤は子供が自分の子供らしい成長を犠牲にしているということもあるので、何年か経ってから、不登校やさまざまな心身の問題というかたちで、三角関係に巻き込まれてきた苦しみを表現することがあります。そして三角関係は1つにとどまらず次々と連結していくことも珍しくありません。実家の両親、仕事や趣味、浮気、子供など。二人が問題から目を背けず、二人の関係の中で解決していく方法を探ることが大切です。
第2部 5章 アサーションについて知る
アサーションとは、1950年代にアメリカで生まれた「人間関係やコミュニケーションに関する考え方とスキル」で、1980年代初めに平木典子氏によって日本に紹介され、現在では一般市民、企業、教師、カウンセラー、看護師、福祉職、大学生、子供などを対象としたトレーニングが行われています。近年、ますます注目されるようになり、この言葉も知られるようになってきました。その考え方3つ
普段のパートナーとのコミュニケーションを振り返りながら読み進めることで、自分自身やパートナーについての理解が深まり、二人の間で起こっていることが、これまでとは違った角度から見えるようになるでしょう。
1、自分も相手も大切にする自己表現。
「自分の気持ち、考え、欲求などを率直に、正直に、その場の状況に合った適切な方法で述べること」
2、相手を自分の思うとおりに動かすためのテクニックではない:
「自分も相手も大切にする」というアサーションの基本精神とは大きくかけ離れています。
3、聞くことも大切にする:
相手の気持ちや考えや欲求にも関心を持ち、理解しようと努め、話を聴くこともとても大切です。
2、3つのタイプの自己表現
アアーションでは私たちの自己表現の仕方を、非主張的、攻撃的、アサーティブの3つに分類して考えます。
1、非主張的な自己表現;I’m not OK. You are OK
自分の気持ちや考えや欲求を素直に伝えていない表現で、自分よりも相手を優先する自己表現です。曖昧な、遠回しな、遠慮がちな言い方、小さな声などで相手に真意が伝わりにくい表現が含まれます。「どうして自分はいつも言いたい事を抑えてパートナーに合わせてしまうんだろう」「もっと自分の言いたい事をきちんと表現できるようになりたい」また何故気が付いてくれないのと相手の責任にしてしまうことも、さらにはある日突然離婚を言いわたす人も長年の不満を蓄積させてしまう。
⬇︎自分とパートナーへの影響;自分自身にストレスがかかる。それが抑うつ感や無力感などを伴う心身の変調につながることも少なくありません。パートナーはあなたのことを誤解(関係はうまくいっている、問題はない)する可能性があります。
要因;自分の本当の気持ちや考えや欲求を表現できない理由
①葛藤を避けたい気持ちが強すぎる。表面的な調和を保とうと
②嫌われたくない気持ちが強すぎる。それが習慣化すると、自分でも自分が何を感じ、考え、望んでいるのかがわからなくなります。
③察してほしい気持ちが強すぎる。わざわざ言葉にしなくても、、わかってほしい。自分に対する愛情の期待。しかしそれは現実的ではなく、ほとんどの場合失望に終わることでしょう。
④自己犠牲を払いすぎる;
⑤パートナーとパワーの差を感じている;二人の関係に及ぼす影響力のバランスに偏り
⑥自己評価が低く自信が持てない;とるに足らないものを過小評価してしまう。
この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手にとってみてください。

『夫婦・カップルのためのアサーション』: 自分もパートナーも大切にする自己表現
著者:野末 武義 2015/8/18 出版
Amazonで調べる↓
夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現2、攻撃的な自己表現 ; I’m OK. You are not OK
自分の自己表現はするがパートナーの気持ちや考えや欲求は考慮しようとしないというような。「いつも口調がきつくなってしまう」と気づいている人も。暴力でや無視や馬鹿にする、説教する、けなす、陰で悪口をいう、なども含まれる。
パートナーへの影響;普段から人間関係の中でストレスを抱えている人が攻撃的な自己表現をしがち。パートナーの中には不満や怒り、そして恨みを蓄積させていくことになりかねない。最終的に自分が孤立する可能性もある。
要因
①パートナーに対して優位に立ちたいという気持ちが強すぎる。主導権、支配欲
②幼児的な甘えから抜け切れていない。「自分を優先してくれて当たり前」お互いに与え合うものと理解できていない
③自信過剰の根底に不安を抱えている;「自分は常に正しい」と思い込み。受け入れてしまったら自分自身を否定してしまう不安を無意識のうちに持ってしまう
④真面目で責任感が強すぎる。「こうあるべき」「こうするべき」が強すぎると押し付けてしまう
⑤自分の弱さを認められない、知られたくない;自己防衛のために。強がり、意地、怒りに
⑥忙しい;もともとはそういう性格でなくても、とても忙しい生活の中で時間に追われストレスが積み重なってくると。自分の言いたいことを冷静に考えて表現したり、パートナーに関心を向けて理解しようと努力する余裕がなくなってしまうのです。
⑦疲れている;神経が過敏になり、自分を脅かすものに感じられて、攻撃的に反応してしまうことも
3、アサーティブな自己表現;I’m OK. You are OK.
①アサーティブな自己表現とは
自分の気持ちや考えや欲求を率直に正直に表現し、なおかつ相手にも関心を持って、相手の気持ちや考えや欲求も大切にし理解しようとする、自他尊重のコミュニケーションです。
自己の気持ち考えを「表現する」「伝える」+「聴く」「理解する」「受け止める」ことも大事にします。「僕はこう思うけど、君はどう?」「私はこんなふうに感じるけれど、あなたの気持ちを聴かせて」などパートナーの自己表現を引き出し理解しようとします。
②アサーティブな自己表現ができる人の特徴;
自分らしさを大切にし、パートナーのその人らしさも大切にしたいと思っているので、なるべく二人が満足いく結果を出したいと考えます。そのためにも、安易に妥協したり、パートナーを服従させようとするのではなく、面倒くさがらずにパートナーと話し合って歩み寄ろうという姿勢があります。
また、適度な自信と謙虚さを持ち合わせています。時には自分も間違うことはあるし、失敗することもあるし、不完全な人間だし、パートナーには自分にはないよいところがある、というような謙虚さです。
さらに、アサーティブな自己表現ができる人は、パートナーに対する感謝やねぎらい、励ましやほめることなど、肯定的なメッセージを上手に伝えることができるという特徴があります。「ありがとう」「大変だったね」「大丈夫?」「それ、とっても似合っているよ」など、ちょっとした言葉かけが無理なく自然にできるのです。
米国のゴットマンの研究では、長期にわたって親密な関係を保てるカップルとそうでないカップルの大きな違いの一つとして、このような肯定的なコミュニケーションの頻度が大きな意味を持つことが明かになっています。
「自分がアサーティブに自己表現できても、相手がそうでなければアサーティブに対応するのは難しいですよね」という質問→確かにそうかもしれないが、変化の鍵は自分自身が持つ必要がある。
③自分の弱さを認め表現することもアサーティブ;
心にとめておきたいこと。さみしい、悲しい、つらい、苦しい、自信がない、どうしたらいいかわからない、といった感情を抱くことは、誰にとっても起こりうることですが、自分でそれを認めるのは簡単なことではありません。ましてや、それをパートナーに素直に表現するのは勇気がいります。自分に素直になり、パートナーにありのままの自分を見せ、パートナーが受容してくれたら、二人の絆はより深まるでしょう。
④納得して譲ることもアサーティブ
何かについてパートナーと意見がくい違ったり、調整が難しかったりすることも時に起こるでしょう。そんな時にアサーティブに話し合い、納得し譲ることができれば、、。
⑤時にはきっぱりと「ノー」を言うこともアサーティブ
「一緒にカップルセラピーに行ってくれないなら離婚するから」夫が一緒に行かないことは受け入れられない(ノー)と思って言ったのであれば、アサーティブな自己表現だといえます。
夫婦・カップルに限らず、全ての人間関係において、自分が相手に脅かされていると感じるとき、大切にされていないと感じるときに、相手の気持ちや考えはちょっと横に置いてでも、まずきっぱりとノーを伝えることが最大限のアサーションといえることがあります。
「こういうことはやめてほしい」「そう言われるのはいやだ」「そんなふうに言ってほしくない」「このままだとあなた(君)との関係は続けていけない」など、自分の気持ちや考えを素直に伝えるのです。そして、ノーが相手の心にきちんと届いてから、相手の話に耳を傾けても遅くはありません。
4、日本人の自己表現の変化
昔は男性が攻撃的な自己表現、女性が非主張的な人が多く見られると考えられてきましたが、最近ではそのような男性女性のステレオタイプは通用しなくなっています。
5、自分の自己表現について理解する
よりアサーティブになるためにまず大事なことは、自分は誰に対してどのような自己表現をしているか、特にパートナーに対しては、どのような時にアサーティブに自己表現できるのか、一方でどのような時に攻撃的になってしまったり非主張的になってしまったりするのか、これまでの二人の関係をふり返ってみてまず、理解することです。そして100%常にアサーティブになることをめざすのではなく、まずどんなふうに変えていきたいのか焦点を絞ることです。
自分の自己表現の傾向を理解するために次のエクササイズを
1、パートナーに対して、非主張的になってしまう場面、攻撃的になってしまう場面、アサーティブに自己表現できる場面とその時の会話例を、それぞれ10個ずつ書き出してみよう。
2、次に非主張的な時と攻撃的になってしまう場面について、よりアサーティブな自己表現に変えていく場合、比較的簡単にできそうなもの⑴からアサーティブに表現するのが難しそうなもの⑽まで、難易度をつけてみよう。
※目標を高く掲げることよりも、小さな変化を積み重ねていくことが大切です、まずは難易度の低いものから取り組んでいきましょう。
この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手にとってみてください。

『夫婦・カップルのためのアサーション』: 自分もパートナーも大切にする自己表現
著者:野末 武義 2015/8/18 出版
Amazonで調べる↓
夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現6章 自己信頼を高めアサーション権を確信する
ここまでを理解した、それでもすぐにアサーティブな自己表現ができるわけではありません。具体的な言動が変わるためには、まず心の中が変わることが必要です。
1、自己信頼を高める
心の中をアサーティブにするために大切なこととして、まず自己信頼を高めるということがあげられます。
1、自己信頼とは;文字通りですが言い換えれば、自分を拠り所にできる、自分自身を頼ることができる、自分をあてにできる、という意味。自己信頼ができていれば、パートナーとの関係において不安や緊張に押しつぶされたり、イライラに圧倒されたりしないでアサーティブな言動をしやすくなります。
反対に自己信頼が十分でないと、非主張的になったり攻撃的になったり、不適切な言動をしやすいのです。自己信頼は、自己理解、自己受容、自尊心の3つの要素が関連しあって成り立っています。
①自己理解;自分自身をよく理解できているか。2つの意味
1、自分がその時その時に感じていることや考えていることに気付き、どれだけ意識化できるか。意識化できなければ、適切な言葉にして相手に伝えることはできません。
2、一人の人間としての自分自身をよくわかっているということ。自分の長所と短所、優れているところと劣っているところ、成功したことと失敗したこと、結果的にうまくいかなかったこととそれまでの努力など、自分の肯定的側面と否定的側面の両方をバランスよく理解することが重要です。自分によいところがあるにもかかわらず見ようとしなかったり、過小評価して自分の否定的側面ばかりに目が向いていると、自分の全体が否定的に見えてしまい、非主張的になりがちです。その反対は指摘に耳を傾けず、攻撃的になりがちです。
自分を否定的に見がちな人は、パートナーに対しても否定的側面ばかりを見がちです。(良いところばかり見てしまうことも)
②自己受容;自分自身を受け入れること
自分はこうありたい、こうなりたいという理想を持っていても、多くの人は現実の自分とのギャップを感じるのではないでしょうか。そのような時に「こんな自分はダメだ」と否定するのではなく、「今の自分はこうなんだ」とありのままを認めて受け入れるのです。それは「自分はこの程度なんだ」と諦めることではありません。自分を少し優しい目で見直す、自分に対し少し寛容になる、自分の不完全さを許すということです。
こうして、自分自身をありのまま受け入れられれば、卑屈になることも尊大になることもなく、ありのままの自分で人と付き合うことができるでしょうし、もっと頑張ろうと思えるでしょう。
また、それができると、パートナーをありのままに受け入れられることにもつながります。相手の失敗や不完全さや短所に対して、過度に失望したり怒りを覚えたりせず、現実的に受け入れることが可能です。したがって、自己受容できている人ほど、パートナーに対しても受容的になることができ、温かい態度で接することができます。
③自尊心;プライドではなく、自分を大切に思う気持ち。
自尊心が十分に育っていないと「私の気持ちや考え方なんてたいしたことではないし・・」と非主張的な自己表現につながるでしょう。自分を大切に思うことは、パートナーの自尊心を尊重し大切にするゆとりも生まれます。
自己信頼を高めるためのエクササイズ
自分のプラス面を見つけ直そう
・他者からの評価は気にせず。一つの設問になるべく2つ以上記述するように心ガケてください。
1、あなたにとって使える能力はなんですか?ヒント;ささいな能力でもかまいません。
2、以前のあなたと比べて、成長したと思うところはどのようなところですか?ヒント;一年前、五年前、結婚当初と比べて、また幼かった頃と比べて、人は必ず成長しています。
3、あなたがこれまでの人生で、自分なりに頑張ってきたこと、困難だったことはどのようなことですか?ヒント;頑張ったけれども乗り越えられなかったことでも、今乗り越えようとしていることでもかまいません。
4、妻として(夫として)あなたが大切にしていることや心がけていることはどのようなことですか?ヒント;パートナーがそれに気付いているかは気にしなくてかまいません。
5、あなたがパートナーに褒めてほしいと思うこと、認めてほしいと思うことはなんですか?ヒント;自分自身の容姿、持ち物、行動など、なんでもかまいません。
いかがだったでしょうか?自分のことがちょっとだけ好きになれた感じがしたでしょうか?
普段わたし達は、自分の失敗や欠点や短所に目を向けがちです。自己受容は難しくなり、自尊心も低下しがちです。それゆえ、誰かからプラスに評価されたいという願望を強く抱きますが、そもそも日本人は人を褒めたりするようなプラスのフィードバックが苦手です。その為プラスの評価を他者に求めれば求めるほど、失望や落胆も大きくなりがちです。
したがって、大切なのは、まず自分で自分のプラス面をきちんと認識し、それを認め受け入れることです。人から支えられることも大切なのですが、自分で自分を支えることも、同じくらい大切なのです。
2 アサーション権について理解し確信する
自己表現の権利について知り確信する。基本的人権としてのアサーション権
①生まれながらに与えられている権利
「自己表現してよい」ということ。「自分は自分の考えや気持ちや欲求を表現してよいのだ」と思えていないと、非主張的になってしまう。特に女性は、男性に服従を強いられることも。男性は職場でアサーション権が軽視され、自分の感情や欲求に向き合わないようにし、自分らしさを押し殺して適応せざるをえなかったかもしれません。
②誰にでも平等に与えられている権利
人種、国や地域、年齢、職業、性別などによって差別されるものではなく、家族の中でいえば、夫にも妻にも、子供にも平等に与えられている権利。
③アサーション権を確信することによる心と行動の変化
医師と患者の関係。最近では「知る権利」が知られることで「自分の身体も命も、自分自身のものである」という意識が。つまり権利を理解し納得することで、心も行動も変わりうるのです。
この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手にとってみてください。

『夫婦・カップルのためのアサーション』: 自分もパートナーも大切にする自己表現
著者:野末 武義 2015/8/18 出版
Amazonで調べる↓
夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現
夫婦・カップルによるアサーション権
①誰でも、パートナーに自分の気持ちや考えや欲求を表現してもよい
夫であれ妻であれ、外で働いていようと、家庭の中にいようと、収入が多かろうと少なかろうと、私たちは1人ひとりが人間として尊重され、自己表現をしてよいのです。
非主張的な人は自分自身に対しての劣等感、引け目や負い目、罪悪感などから「自分には何もいう権利はない」と思い込んでしまっているのかもしれません。
攻撃的な人は「女だから、働いていないから、稼ぎが少ないから、男らしくないから」とさまざまな理由をつけて、パートナーの自己表現の権利を奪っているのかもしれません。
②私たちは、パートナーとの関係において、自分らしさを大切にしてよい
お互いに趣味や行動様式や価値観、生き方にまで常に同じということはない。自分が自分に対して望むこと、パートナーが自分にたいして望むことも一致するとはかぎらない。好き嫌い、生活観、人生観といったことは夫婦であっても同じとはかぎらない。しかし自分自身に目をつぶったり、自分らしさを犠牲にして生きるのはもったいない。話し合ってすぐに妥協点を見出せるわけでもないけれど、自分らしさを伝えていくと同時に、パートナーの自分らしさも理解しようとすることも大事でしょう。
③真面目に聴き、受け止めてほしいとパートナーに求めてもよい
私たちはパートナーに自分のことを理解してほしい、受け止めてほしいという期待を持っています。だからこそ、自分の話をきちんと聴いてほしいと思うのであり、それも権利の1つです。パートナーが忙しく話ができない、「気にしすぎだよ、気にしすぎ」と軽く言われてしまう時「確かにあなたの言うとおり、私の気にしすぎなのかもしれない、でも、そういう私の不安ももう少しわかってほしい」とこうした些細な「もう一言」も大事になってきます。「私の身になって考えてくれない人なんだ」と決めつけたりして、結果的に非主張的になることがしばしばあります。
ですから、真面目にきいてほしい、受け止めてほしい、理解してほしいということを、パートナーを責める形ではなく、落ち着いて表現(相手の様子をよく見たり、自分の話し方をチェックすることも大切)することも大切です。
④私たちはパートナーに対して不完全であってもよい
私たちは人間で、ゆえに誰もが不完全で、時には失敗をすることがあります。パートナーのことを深く思っていても、時に相手の意に反する言動をしてしまったり、時に傷つけてしまうこともあるでしょう。このような行き違いは夫婦の間ではよく起こります。パートナーに対し完璧になることはできないと認め、失望させたり傷つけてしまったり、その反対もありえるという前提でコミュニケーションをしていく必要も。もしパートナーを失望させたり傷つけてしまうような言動をしてしまったら、そのことをきちんと認め、誤り、関係を修復していく努力をしていくことです。
⑤パートナーにしてほしいこと、してほしくないことを言っていい。
日々の生活の中でそういったことがたくさんあるでしょう。してほしいことやして欲しくないことは、パートナーに表現してよいのです。「今日はすごく疲れているから、夕食を代わりに作ってほしいんだけど」「月3万円のお小遣い、せめて5千円アップしてくれない?」「子供の受験をどうするか、一度時間をとってじっくり話し合いたい」など些細なことから一大事まで、いつどんなふうにどんな言葉で伝えるかを考えなばなりませんが、その前提として「言ってもよいのだ」ということを自分自身で確信することが必要です。
⑥パートナーからの依頼や要求を断ってもよい。
例えば「ごめん。風邪ひいちゃったみたいで、昼から熱っぽいんだ。今日は休ませて」と言ってもよいのです。あるいは、日中の子育てで疲れ切っているときにパートナーからセックスを求められた場合に、「今日は一日外で子どもと一緒に遊んで疲れているから、そういう気にはなれないの」と言ってもよいのです。
私たちはつい、パートナーとの関係を大切に思うと、小さなことでも断りにくくなります。しかし断ること自体はわがままなことでも悪いことでもありません。断るときに、攻撃的でなくアサーティブに断ることが大切なのです。パートナーの断る権利を認めることが、パートナーを大切にすることにつながります。
⑦パートナーとの関係において、傷つくことがあってよい。
傷つく権利というものもあります。パートナーとの関係の中で、自分が傷ついたとき、傷ついた自分を否定せずにありのまま認めてよいということです。「こんなことで傷つく自分がおかしいのかな」と自信をなくす必要はない。
反対に、自分の言動によってパートナーが傷ついた場合「自分は傷つけようと思ってあんなことを言ったのではない」と自分を正当化したり、理屈をこねて否定するのではなく、まずはパートナーが傷ついたことを認めて受け入れましょう。そしてパートナーの話に耳を傾け、何を望んでいたのか、何に傷ついたのかを理解するように努力しましょう。
⑧自己主張しない権利
例えば、パートナーに言いたいことはあるけれども、相手がものすごく疲れていて、自分の話をじっくり聴くゆとりがないときや、これを言ったらパートナーは非常に傷つくことがわかっているときは「言わない」という選択をしてもいいのです。この「言わない」は「言えない」とはまったく違います。自分の意志でそうしているということ。
アサーティブな自己表現とは、何でもかんでも相手に伝えるということではなく、自分の意志と選択で自己表現するかしないかを自分で決められるようになり、コントロールできるようになることなのです。ガマンするとか抑えるといったことではない。
非主張的な人はこれを選択できていることもある、区別して理解しておくとよい。
アサーション権をまもり行使する
生まれながらに全ての人に与えられていると述べましたが、だからといって保証されているわけではありません。ほとんどの人はこの言葉すら知らないでしょう。
しかしだからこそ、まず自分自身でアサーション権について理解し、納得し、確信することが大切です。アサーション権は自分にもあるし、パートナにも同じようにあります。そのような意識がアサティブな自己表現を可能にする確かな基盤になるのです。
7章 ものの見方・考え方とアサーション
3部 8章 アサーティブな伝え方(アサーティブな自己表現を身につける)
9章 パートナーの話をアサーティブに聴く
10章 DESC法を使ってアサーティブに話し合う
11章 感情表現とアサーション
この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手にとってみてください。

『夫婦・カップルのためのアサーション』: 自分もパートナーも大切にする自己表現
著者:野末 武義 2015/8/18 出版
Amazonで調べる↓
夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現