こんにちは。『環境デザイン研究所』です。
今回は
「7つの習慣」スティーブン・R・コヴィー氏 の著書です。
世界発行部数:3000万部突破

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完訳 7つの習慣 人格主義の回復著者;スティーブン・R・コヴィー
より
第4回目は公的成功の
第5の習慣の『まず理解に徹し、そして理解される』
人生を変える〜習慣の科学〜_09[人間性-7つの習慣より] 章
第6の習慣『シナジーを創り出す
創造的協力の原則
シナジーとは? 相乗効果
ここまで学んできた習慣はすべて、シナジーを創り出す習慣の準備だったと言える。シナジーを正しく理解するなら、シナジーは、あらゆる人生において最も崇高な活動である。
どんなに困難な試練に直面しても、人間だけに授けられた4つの能力(自覚・想像・良心・意志)、Win-Winの精神、共感の傾聴のスキル、これらを総動員すれば、最高のシナジーを創り出すことができる。そうすると奇跡としか言いようのない結果に到達できる。それまでに考えてもみなかった新しい道が拓けるのである。
シナジーは、原則中心のリーダーシップの真髄である。原則中心の子育ての真髄である。人間の内面にある最高の力を引き出し、一つにまとめ、解き放つ。ここまで学んできたすべての習慣は、シナジーの奇跡を創り出すための準備だったのである。
シナジーとは、簡単に言えば、全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということである。(相乗効果)
しかし創造のプロセスに歩み出すときは、とてつもない不安を感じるものだ。冒険心、発見しようとする精神、創造しようとする精神を持ち一歩踏み出すには、確固とした内面の安定性が必要となる。居心地のよい自分の住処を離れて、未知なる荒野に分け入っていくとき、あなたは開拓者となり、先駆者となる。新しい可能性、新しい領土、新しい大地を発見し、後に続くものたちのために道を拓のである。
自然界はシナジーの宝庫だ。たとえば2種類の植物を隣り合わせて植えると、根が土中に入り組み、土壌を肥し、1種だけを植えた場合よりもよく育つ。全体は各部分の総和より大きくなり、1プラス1が3にも、それ以上にもなる。
ところが自然から学べるこの創造的協力の原則を人間関係に応用するのはそう簡単なことではない。家庭にはシナジーを観察し練習する多くの機会がある。
男女の結びつきがこの世に新しい命を送り出すことこそが、まさにシナジーである。シナジーの本質は、お互いの違いを認め、尊重し、自分の強みを伸ばし、弱いところを補うことである。
お互いの自尊心を育み、価値を生かし、一人一人が成熟して自立し、やがて相互依存の関係を築く機会を与えてくれる環境をつくるのである。シナジーは他者と社会に奉仕し、貢献する、次の世代のための新しい脚本を創り出すことができるのではないだろうか。
シナジーを創り出すコミュニケーション
他者とのコミュニケーションが相乗効果に展開すると、頭と心が解放されて新しい可能性や選択肢を受け入れ、自分の方からも新しい自由な発想が出てくるようになる。
ささやかなシナジーさえ体験したことのない人は大勢いる;このような人たちは自分の周りに殻をつくり、防衛的なコミュニケーションの仕方、人生も他人も信用できないと誰かに教わり、脚本づけられている。これは人生の大きな悲劇、人生を無駄に生きてしまうことにもなりかねない。持って生まれた潜在能力のほとんどが手つかずのまま生かされることもなく。
創造的な活動のほとんどは、予測のつかない出来事がつきものである。先が見えず、当たるのか外れるのかも分からず、試行錯誤の連続である。だからこうした曖昧な状況に耐えることができる安定性、原則と内なる価値観による誠実さがなければ、創造的な活動に参加しても不安を感じるだけで、心を開いて物事を受け入れ、冒険に心を躍らせる必要がある。できない人は枠組み、確実性、予測を過度に求めるのだ。
教室でのシナジー
本当に優れた授業はカオスのほんの手前で行われるーーこれは教師としての長年の経験から私自身が経験していることである。
「全体は各部分の総和より大きくなる」という原則を教師も生徒も本当に受け入れているかどうかが、シナジーを生むための試金石になる。
誰もが自分の意見を安心して述べ、全員が他者の意見に耳を傾け、受け入れ、学び合う環境を作ることが大切だ。それがブレーンストーミングに発展する。
大学でリーダーシップに関する教鞭をとっていたころの忘れられない体験。一人の学生が個人的な体験をクラスの全員に話して聞かせた。洞察に富み、感情を揺さぶる話だった。その体験談を聞いた全員が謙虚で敬虔な気持ちになり、勇気を出して話した学生に尊敬と感謝の念を抱いた。これがきっかけとなって、教室の中にシナジー効果を生もうとする創造的で豊な土壌ができた。他の学生たちも、自分の体験や意見を次々に述べた。自信をなくしているのだと、素直に打ち明ける学生もいた。クラスに信頼関係ができ、安心して発言ができるできあがっていたから、誰もが心を開いて自分の考えを話し、皆が真剣に耳を傾けた。このプロセスに私自身も深く引き寄せられ、夢中になっていった。まさに創造的なプロセス、まるで魔法のような展開にすっかり魅了されてしまったのである。そのクラスでは卒業後も同窓会が開かれ、集まればあの授業の話になる。あの時起こったこと、シナジーが創られた理由の話に花が咲く。
私が不思議に思うのは、あれほどのシナジーを創り出すためには強い信頼関係が必要であるのに、それがほんのわずかな時間で確立されたことである。学生たちがそれだけ人間的に成熟していたからだろう。
これとは逆に、あと一息でシナジーに到達するところでカオスの淵にひっかかったまま進まず、結局はただの混乱に終わってしまった体験もある。
大勢の生徒たちの自由や創造的可能性を抑えつけてしまったり、想像力や企業家精神を抑えこみ、シナジーを創り出す可能性を摘んでしまう企業経営者もいる。
シナジーに至るには、そのプロセスの早い段階で必ずと言っていいほど大きな勇気を必要とする瞬間があった。自分自身にとことん正直になり、自分の本当の姿を見せ、自分の内面、あるいは家族や組織の状況に正面から向き合い、その結果、どうしても言わなければならないことに気づくからである。それを口にするのは大きな勇気と本当の愛情がなければできることではない。だから、相手も心を開いて正直になり、自分自身をさらけだす。その瞬間からシナジーのコミュニケーションが始まる。こうしてコミュニケーションはどんどんクリエイティブになり、やがて、最初は思ってもみなかった洞察が生まれ、斬新な計画となって実を結ぶのである。
カール・ロース「もっとも個人的なことはもっとも一般的なことである」と言った。自分の本当の姿を見せ、自信を失った経験も含めて自分のことを率直に話すほど、それを聞いている人たちは、自分の経験を素直に話しても大丈夫だという気持ちになる。するとあなたの正直さが相手の精神を養い、そこに真の共感が生まれ、新たな洞察や学びがもたらされる。こうして次第に気持ちが高揚していき、冒険心が刺激されて、コミュニケーションのプロセスはシナジーへと向かっていく。
ビジネスでのシナジー
同僚たちと会社のミッションステートメントを作ったとき、とても印象深いシナジーを体験した。勇気を持って自分の考えを述べ、お互いを尊重し、理解しながら、シナジーを生む創造的なコミュニケーションをしていたのだ。エキサイティングな雰囲気を誰もが肌で感じていた。そして気が熟したところで、全員で共有できるビジョンを言葉にする作業に戻った。
人は一度でも、本物のシナジーを経験すると、それ以前の自分に戻ることはない。あれほど心が広がり、胸躍る冒険にまた出会えることを確信できるからである。だからといって、以前に経験したシナジーをそっくりそのまま再現しようとしても、うまくいくものではない。しかし創造的なことを成し遂げようという目的ならば、いつでも再現できる。
東洋に「師を真似ることを求めず、師が求めたものを求めよ」という至言がある。
シナジーとコミュニケーション
シナジーは心を沸き立たせる、創造することは心をわきたたせる。心を開いたコミュニケーションが生み出すものには、驚くべきものがある。シナジーは大きな成果、意味のある進歩につながる。これは否定しようのないことである。だから、リスクを負ってでもシナジーを起こす努力はする価値があるのだ。
低い信頼関係;から生じるのは最も低いレベルでのコミュニケーション;自分の立場を守ることしか考えず、揚げ足を取られないように用心深く言葉を選び、予防線をはり、逃げ道を作っておく。防衛的→Win-LoseかLose-Winの関係となる。
中間のレベル;お互いを尊重するコミュニケーション;反対意見、対立は避ける。だから相手の身になって共感するところまでは踏み込めない。協力や創造的な可能性が開かれることはない。相互依存の状況でお互いを尊重するコミュニケーションをとると、たいていは妥協点を見つけて終わりである。妥協とは、⒈プラス1が1、5にしかならないことである。どちらも2を求めていたけれども、お互いに0、5ずつ諦めて1、5で手を打つことだ。たしかに正直で誠意のあるやりとりのようではあるが、しかし個々人のクリエイティブなエネルギーが解き放たれず、シナジーも創り出せない。低いレベルのWin-Winに落ち着くのがやっとだ。
シナジーを生み出す関係;1プラス1が8にも、16にも、あるいは1600にもなることである。強い信頼関係から生まれるシナジーによって、最初に示されていた案をはるかに上回る結果に到達できる。しかも全員がそう実感でき、その創造的なプロセスを本心から楽しめる。そこには小さいながらも完結した一つの文化が花開く。
真剣にシナジーを目指していれば、妥協するにしても、より高い妥協点が見つかるものである。
第3の案探す
効果的な相互依存の習慣を身につけ、実践すれば、新しいパラダイムを土台としてお互いの違いを認め、より高いレベルでのコミュニケーションが取れるようになるのだ。
高い信頼口座の残高、Win-Winを考える姿勢、まず相手を理解しようとする努力、これらの要素があいまって、シナジーを創り出す理想的な環境ができあがる。
仏教ではこれを『中道』と言い表している。この言葉の本質は妥協ではない。例えるなら三角形の頂点であり、より高い次元の選択を意味する。
向かい合って対立するのではなく、同じ側に立って問題を眺めてみる。お互いの希望を理解して、両方の希望をかなえられる、第3の案を見出す努力をする。
妥協ではなく、二人とも満足できる解決策を。シナジーは二人の関係をも変える力を持っているのである。二人が望むものを与え、そして二人の絆を強めるのである。
ネガティブなシナジー
大きなエネルギーの無駄;他人の間違いを責める、政治的な工作に奔走する、ライバル心を燃やして対立する、保身に神経を尖らせる、陰で人を操ろうとする、人の言動の裏を読もうとする。これは依存心の強い人が相互依存の社会で成功しようとするからである。
自分とは違うものの見方、考え方を知ることこそ、人間関係がもたらす利点であり、自分と他者の違いに価値を置くことがシナジーの本質なのである。
私はシナジーに関して1つの確信を持つに至った。それは、人間関係からシナジーを創り出すには、まず自分の中でシナジーを作り出さなければならないということだ。それにはやはり、第1、2、3の習慣を身につけること。これらの習慣の原則を理解し実践できている人なら、心を開き、自分の脆い部分をさらけ出すリスクを負っても、内面がぐらつくことはないし、Win-Winを考える豊さマインドを育て、第5の習慣の本質を体現できるのである。
原則中心の生き方によって得られる非常に現実的な成果の1つは、過不足なく統合された個人になれることである。また、直感的、創造的、視覚的な右脳。論理的、言語的な左脳、この両方を使いこなし、脳全体をフルに活用させ、自分の頭の中で心理的なシナジーを創り出せるのだ。
脳の片方ずつしか使っていないもの同士の夫婦関係→つまりお互いの違いに価値をおかなければならないんですよ。
違いを尊重する
違いを尊重することがシナジーの本質である。
誰もが世の中をあるがままにみているのではなく、「自分のあるがまま」を見ているのだということに気づかなくてはならない。私は客観的だ、広い視野で世の中を見渡しているという思い込みを持っていたら、他者と効果的に協力し合う相互依存の関係は築けない。
本当の意味で効果的に生きられる人は、自分のものの見方には限界があることを認められる謙虚さをもち、心と知性の交流によって得られる豊かな資源を大切にする。
人生は「あれかこれか」の2者択一・白か黒で決められるわけではなく、必ず第3の案があるはずだと思えない限り、自分だけの解釈の限界を超えることができないのである。違いを尊重することで、私自身の視野が広くなるだけでなく、あなたという人間を認めることにもなる。
力の場の分析
相互依存の状況では、成長と変化を妨げるネガティブな力に対抗するときにこそ、シナジーが特に強力になる。
ネガティブな力は働く、しかし、ここで諦めずにシナジーを創り出すのである。Win-Winを考える動機(第4の習慣)、まず相手を理解することに徹し、それから自分を理解してもらえるようにするためのスキル(第5の習慣)、他者と力を合わせてシナジーを作り出す相互作用(第6の習慣)、これらを総動員して抑止力に直接ぶつけるのだ。抑止力となっている問題について、心を開いて話し合える雰囲気をつくる。するとガチガチに固まっていた抑止力が解け始め、ほぐれていき、抑止力が推進力に一変するような新しい視野が開けてくる。人々を問題の解決に巻き込み、真剣に取り組ませる。すると誰もが問題に集中し、自分のものとしてとらえ、問題解決の一助となる。
そうすることで、全員が共有できる新しい目標ができ、誰も予想しなかった方向へ話が進んでいき、上向きの力が働き始める。その力が興奮の渦をもたらし、新しい文化が生まれる。興奮の渦の中にいた全員がお互いの人間性を知り、新しい考え方、創造的で斬新な選択肢や機会を発見して、大きな力を得るのである。
私は話し合いが始まってから最初の1時間半を使って、第4、第5、第6の習慣について話をした。
双方の問題;双方とも相手の立場をよく理解でき、それまでのコミュニケーション不足が誤解を生み、お互いに相手に対して現実からかけ離れた期待を抱いていたことに気付いたのである。双方の痛みの共有できたことに加え、問題を前向きに解決したいという熱意が話し合いを押し進めた。
自然界の全てはシナジーである
生態系という言葉は、基本的には自然界のシナジーを表している。すべてのものが他のすべてのものと関係しあっている。この関係の中で創造の力は最大化する。
「7つの習慣」も同じで、一つひとつの習慣が持つ力は、相互に関係しあったときに最大の力を発揮するのである。
問題の分析と解決に積極的に関わり、自分のものとして真剣に取り組むほど、一人ひとりの創造力が大きく解き放たれ、自分たちが生み出した解決策に責任を持ち、実行できるようになる。そしてこれはまさに、世界市場を変革した日本企業の力の真髄であると断言できる。
シナジーの力はチームワーク、チーム・ビルディング、人々が結束して想像力を発揮すること。それがシナジーである。
あなたが自分の内面でシナジーを創り出す➡️自分自身の分析的な側面と、創造的な側面の両方を意識して尊重し、その2つの側面の違いを生かせば、あなたの内面で、創造的なエネルギーが解き放たれるのだ。
相互依存の状況の中で、あなたは勇気を出して心を開き、自分の考え、気持ち、体験を率直に話すことができる。そうなれば他の人たちもあなたに触発されて心を開くだろう。
あなたは他者との違いを尊重することができる。誰かがあなたの意見に反対しても「なるほど、違う見方をしているんだね」と言えるのだ。相手の意見に迎合する必要はない。相手の意見を認め、理解しようとすることが大切なのである。
第3の案を探し、Win-Winの精神を発揮し、本気で相手を理解しようとすれば、当事者全員にとってより良い解決策が見つかるはずだ。
4、最新再生
最新再生?
6つの習慣を最新再生して磨きをかけ、真の自立、効果的な相互依存を実現できるように
第7の習慣は自分自身を充電する習慣である。
4-1. 第7の習慣「刃を研ぐ」
この本の紹介は私のフィルターをとおしたスキミング(拾い読み)が入っていますので、あなたも是非、この良書を手に取り読んでみてください。

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完訳 7つの習慣 人格主義の回復