原書:1989年
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完訳 7つの習慣 人格主義の回復
第三部・公的成功
相互依存のパラダイム 自立という土台があって初めてより良い人間関係が築ける。
信頼なくして友情はない。誠実さなくして信頼はない。ーーサミュエル・ジョンソン
ここで改めて、本当の意味での「自立」という土台があって初めて効果的な「相互依存」が築けるということを心に留めておいて欲しい。私的成功は、公的成功に先立つ。代数を学んでからでなければ、微積分は理解できないのと同じように。
ここまでの道を振り返り、最後に到達したい場所に続く道のりのどこまで進んだか、どのあたりにいるのかを確かめてみれば、今ここに来るまでには、この道しかなかったことがはっきりとわかるだろう。これ以外の道はないし、近道もない。
まずは自分に打ち克って成功していなければ、他者との関係において、公的成功を治めることはできない。自分を律し、自制することが、他者との良好な関係を築く土台になる。
自分を好きにならなくては他人を好きになれない、という人もいる。真の自尊心は、自分を律し、コントロールでき、本当の意味で自立している人が持てる。(第1、2、3の習慣の領域である)
相互依存は、自立(私的成功)を達成した人間にしかできない選択である。それは豊かで、永続的な実り多い人間関係を築くことができる。本当の意味で自立した人間になる努力をせずに、人間関係のスキルだけを磨くのは愚かなことだ。人間関係を築くときにもっとも大切なのが、あなたが何をいうか、どう行動するかではない。あなたがどういう人間かということだ。
これから入っていく相互依存の世界は、全く新しい次元の領域である。喜びを与えてくれるが、同時に強い痛みや、フラストレーション、幸福と成功を阻む大きな障害にぶつかる世界でもある。
信頼
相互依存(効果的な人間関係)の黄金の卵(成果)は、人と人が心を開き、前向きに力を合わせたときに発揮される素晴らしいシナジーのこと。実りある人生には、人間関係を大切に育てていく努力が必要。
信頼口座(貯金)
日頃から信頼を預け入れて残高を維持しておかないと、結婚生活はいずれ綻び始める。それは敵意や自己防衛に満ち「対立」か「逃避」の選択肢になる。夫婦でさえこのような可能性がある。親子関係でも信頼貯金は貯まっているか?1番の預け入れは「口を挟まず黙って話を聴いてやること」だ。息子の話にひたすら耳を傾け、理解しようとすること。お前のことを大切に思っている、お前を一人の人間として認めていると、態度で伝えるのである。そして辛抱強く待つ。相手が成長するのを待つことも必要。
主な6つの預け入れ
相手を理解する:相手を本当に理解しようとする姿勢は、もっとも重要な預け入れである。また他のすべての預け入れの鍵となる。あなたが他に預け入れていると思っているものは、相手の本当の関心やニーズと合っていなければ、引き出しになるかもしれない。「相手を大切に思うなら、相手が大切に思っているっことを自分も同じように大切にしなければならない」という原則。自分の時間と労力を使い。私たちは、自分の体験や考え方から、相手はこういうことを望んでいるのだと勝手に判断する傾向にある(自分のニーズや欲求に合わせて考えてしまう)。「相手をひとりの人間として深く理解し、その理解に従って相手に接する。
小さなことを気遣う:ほんの少し思いやりが足りなかったり礼儀を欠いたりしただけで、大きな引き出しになってしまう(典型例;遅刻)。一瞬の小さな思いやり。人の内面は脆く傷つきやすい。
約束を守る:相手にとって大切な約束をしておきながら、それを守らないことほど信頼を裏切る行為はない。私は親として「守れない約束はしない」という方針を貫いてきた。約束は注意深く慎重にする。信頼に関わるから。子供がやろうとしていることが、悪い結果になることは大人の目には明らかな時「それをしたらこういう結果になるんだよ。約束してもいい。」とはっきりいった時、子供が親に信頼をおいていれば、親の忠告に従うはずだ。
期待を明確にする:役割や目標に対して期待することが曖昧だったり、認識が食い違っていたりすると、たいていは人間関係に支障をきたすものである。例えば夫婦なら、口には出さなくても、結婚生活における男女それぞれの役割をお互いに期待している。最初に当事者の期待を洗いざらい出すことが重要なのだ。知らないもの同士がお互いに相手がどういう人間か判断しようとするときは、まず自分が抱いている期待を判断基準にする。自分の期待が裏切られたと感じる時、引き出しになる。だから最初に期待を明確にすれば、預け入れとなる。これができるようになるまで時間と労力がかかるが、長い目で見ると効果的。ほんの小さな誤解の積もりが対立、コミュニケーションの決裂に。期待の内容をはっきり伝えることは、勇気がいることもある。
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完訳 7つの習慣 人格主義の回復
誠実さを示す:誠実な人は信頼される。誠実さは、さまざまな預け入れの基礎になる。しかし、上記のことができていても「心に二面性」を持っていたら、信頼残高を増やすことはできない。正直は誠実さの一部。正直とは真実を語ること。誠実さとは自分の言葉に現実を合わせること。約束を守ること、相手の期待に答えることが誠実な態度である。裏表のない統一された人格、自分自身のあり方にも、自分の生き方にも。
誠実な人間となるもっとも大切なことは、その場にいない人に対して忠実になることである。その場にいない人に誠実な態度。(いない人を擁護して守ろうとする態度を見れば、居合わせた人はあなたを信頼する)他の人に話した、その苦言・陰口(悪口)を本人に面と向かって言えるだろうか?本人と面と向かっている時は調子良く話を合わせ、陰で悪口を言う。それを実際に目にしていればあなたはその人を信頼できるだろうか?二面性、裏表があるというのはこういうことである。あっちではこういい、こっちではこうゆう。その場にいない人を見下したり、秘密を漏らしたりして一時の楽しみを得るか?信頼関係を傷つけるか?
現代社会において相互依存をもたらす誠実さとは、一言でいえば「誰にでも同じ原則を基準にして接すること」である。そうすれば周りの人たちから信頼されるようになる。最初のうちは誠実であろうとすれば、相手と相容れないことも、できれば摩擦を避けたくなることも、あるかもしれないが、長い目でみれば、裏表なく正直で、親切な人こそ信頼され、尊敬される。相手を大切に思っているからこそ、その人の耳に痛いこともあえて率直に話すのだ。面と向かって正直にものを言うのは、相当な勇気の要ること。信頼されるのは愛されるよりも素晴らしいことである。ゆくゆくは愛されることにもつながるのだと、私は思う。
❌二面性、悪口、陰口、人をだましたり、裏をかいたり、人の尊厳を踏みにじるような言動、人をあざむく(騙す、ごまかす、偽る)意図。
私は、教師として、また親として確信していることがある。それは「99人の心をつかむ鍵を握っているのは、1人に対する接し方だ」ということ。1人の子供に示す愛情や態度が、他の生徒や子供たちに対する愛情や態度となる。
引き出してしまった時は心から謝る:誠心誠意の謝罪は、大きな預け入れとなる。「僕が悪かった」「私の思いやりが足りなかった」「失礼をお詫びします」相手が気の毒だから謝るのではない。本心から謝るには、自分をしっかり持ち、基本の原則と自分の価値観からくる深い内的な安定性がなければならない。レオ・ロスキン「弱き人こそ薄情である。優しさは強き人にしか望めない」と教えた。間違いを認めないのは犯すことよりも問題がある。
愛の法則と人生の法則
何の見返りも求めず本心から無条件で愛することによって、相手は安心を得、心が安定する。無条件の愛を受けることによって自然な成長が促され、人生の法則(協力・貢献・自制・誠実)に従って生き、自分の中に潜在する大きな可能性を発見し、それを発揮できるようになる。
「この大学に入ってほしい」「条件付きの愛」一人の人間として息子を思う気持ちと、その大学に入ってほしいという欲求。息子は自分のアイデンティティを守ろうとした。夫婦は認め「無条件の愛」を捧げたところ、息子は素直に自然に改心できるようになった。
国連事務総長だった故ダグ・ハマーショルドは「大勢の人を救おうと一生懸命働くよりも、一人の人のために自分の全てを捧げる方が尊い」言わんとしていることは、仕事に身をいれるあまり、身近な人たちとの関係を大切に。それは謙虚さ、勇気、精神力に満ちた高潔な人格が要る。
企業であれ、あるいは家族や結婚生活であれ、効果的に運用するためには人と人が結束しなければならない。一人ひとりの人格の強さと勇気。大勢の人々のためになる仕事をどれほど効率的にできたとしても、一人の人間との関係を築けるしっかりとした人格が育っていなければ何の意味もない。個人対個人との関係こそ、愛と人生の法則を実践しなければならないのである。
P(効果・結果)の問題はPC(効果を生む能力)を高める機会である。
子供が問題を抱えているとき、重荷に感じたり面倒だと思ったりせずに、親子関係を深めるチャンスととらえれば、親と子の交流はまるで違ってくる。親が子供の問題を真剣にとらえ、子供を一人の人間として尊重する態度が子供に伝わり、愛と信頼で強く結ばれた関係ができていく。このパラダイムはビジネスでも大きな力を発揮する。(問題が起きたとき、もっとPCを増やすチャンスだととらえ、の対処の仕方次第で信頼につながる)
相互依存の習慣
信頼口座のパラダイムを理解すれば、人と人が力を合わせて結果を出す「公的成功」の領域に入っていくことができる。世間一般の「交渉術」的なテクニックをいくら学んでも、しっかりとした人格の土台がなければ、公的成功はあり得ないのである。
それでは、公的成功に至る習慣を一つずつ詳しく見ていこう。
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完訳 7つの習慣 人格主義の回復
第4の習慣・WinーWinを考える
人間関係におけるリーダーシップの原則
黄金律は暗記した。さあ、実行しよう。 ーエドウィン・マーカム
人間関係に見られる実に多くの問題の原因はパラダイム(ものの見方)の違いにある。競争のパラダイムから協力という成果は得られない。新しいテクニックや研修プログラムの応急処置では。→協力することの価値が社員に伝わるようにし、社員同士の協力が報われる、報酬制度を整える事によって組織を根本から変革し、個人と組織の優れた力を最大限に引き出すよう提案した。
自立から相互依存の領域に足を踏み入れた瞬間から、リーダーシップの役割を引き受けた事になる。そして、効果的な人間関係におけるリーダーシップの習慣は「WinーWinを考える」である。
人間関係の6つのパラダイム
WinーWinは人間関係の総合的な哲学である。
全ての人間関係において、必ずお互いの利益になる結果を見つけようとする考え方と姿勢である。お互いの利益とお互いの満足できる結果を目指す事。当事者全員が納得し満足し、合意した行動計画には必ず実行する決心をするものである。
WinーWinのパラダイムは、人生を競争の場でなく、協力の場ととらえる。全員が満足できる方法は十分にあるという考え方。誰かが勝者になる代わりに誰かが犠牲になって敗者になる必要はないという考え方である。第3の案の存在を信じること、あなたのやり方?私のやり方?もっとよい方法、もっとレベルの高い方法だ。
WinーLoseは「私が勝てばあなたは負ける」;リーダーシップのスタイルでいえば「私のやり方を通す。君の意見は聞くまでもない」という権威的なアプローチになる。(ほとんどの人は勝ち負けの脚本で育っている。条件付きの愛を受けた子(兄弟で比べられ)、学校は個人の価値を人との比較で測って成績をつける。強力ではなく競争が教育の根本をなしているのである。スポーツもWinーLoseの脚本「ゼロサムゲーム」だけど今日負けたものが明日の勝者になれるし、人生の勝者になれるかもしれない。法律、訴訟も。人が防衛的になれば、創造的にも、協力的(シナジー)にもならないのだ。
LoseーWinは「僕の負けだ。君の勝ちだよ」「私のことなんか気にしなくていいわよ。あなたの好きなようにすればいい」「私は平和主義、波風を立てずに済ませたい」WinーLoseよりたちが悪い。基準というものがないから。相手に対して何も出張せず、何も期待せず、なんの見通しも持たずに。ただ相手を喜ばせたり、なだめたりし、人に受け入れられ、好かれることに自分の強みを求める。自分の気持ちや信念をはっきりと言う勇気がなく、相手の画の強さにすぐ萎縮してしまう。WinーLoseの人は、LoseーWin思考の人が好きである。弱さにつけ込み、自分の思い通りにできるから。両者は噛み合うわけである。しかし問題は、様々な感情を胸の奥に隠してしまい、積もったものが病気に姿を変えてしまう。多くの経営者や管理職、親はWinーLoseとLoseーWinの間を振り子のように行ったり来たりしている。
LoseーLoseは(例;離婚のこじれ)ぶつかり合い、喧嘩し、復讐心が生まれ、相手を弱め、結果自分も弱めてしまう。復讐は両刃の剣である。これは敵対の思想、戦争の思想なのである。(戦争はどちらもボロボロになってしまう結果に)
Winは他者は関係なく自分が勝つことだけを考えるパラダイムである。他人の勝ち負けはどうでもよく、自分の欲しいものを手に入れることだけが大切なのである。争いの意識のない日々のやりとりの中では、Winはもっとも一般的なアプローチだろう。自分の目標が達成できるかどうかしか頭にないから、他人の目標がどうなろうと自分には関係ないと考える。
どのパラダイムがベストか?
ケースバイケースではある、状況次第でどのパラダイムも1番になりうる。肝心なのは、状況を正しく読み取って使い分けることである。
とは言っても相互依存の現実の人間社会において、効果的、生産的関係を築く土台はWinーWinだけなのである。
一歩進めたパラダイム『WinーWin or No Deal』;
双方にメリットのある解決策が見つからなければ、お互いの意見の違いを認めて「合意しないことに合意する」ことである。今回の仕事は一緒にしない。双方が勝手な期待を抱き、後々になって幻滅するよりは、最初からお互いの違いをはっきりさせ、認め合うほうがよっぽどいい。これを選択肢の1つに持っていれば、余裕を持つことができる。
正直にこう話せる「お互いに満足できるWinーWin以外の結論は出したくないんです。私もか勝って、あなたも勝ってほしい。だから、私のやり方を通しても、あなたに不満が残るのは嫌なんです。それでは信頼関係が崩れます。逆に私が我慢して、あなたの思い通りになったとしても、あなたはあなたで後味が悪いでしょう。だからWinーWinの道を探しましょう。一緒に本気で考えましょう。それでも見つからなければ、この話はなしということでどうでしょうか。お互いに納得のいかない決定で我慢するよりは、今回は取引しないほうがいいと思います。またの機会もあるでしょうから。」
このパラダイムは家族同士の関係においても精神的に大きな自由をもたらす。また新しく事業を興したり、新しい取引先と契約を結んだりするときにも効果を発揮する。人間関係に亀裂が入らずにビジネスを続けて成功することができる。
「WinーWinを考える」は人間関係におけるリーダーシップの習慣である。人間だけに授けられた4つの能力(自覚、想像、良心、意志)全て発揮して、お互いに学び合い、お互いに影響しあい、お互いに得るところのある人間関係を育てていくための習慣である。この関係を築くには、大きな思いやりと勇気が必要である。
人間関係でリーダーシップを発揮するには、ビジョンと主体的な率先力、そして原則中心の主体的な生き方から得られる4つの要素(安定、指針、知恵、力)が必要である。WinーWinの原則は、あらゆる人間関係の成功を築くための基礎であり、まず人格があって、それによって人間関係が築かれ、そこで協定ができる。
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完訳 7つの習慣 人格主義の回復
人格の3つの特徴:
・誠実;誠実さとは「自分自身に価値を置くこと」である。第1、2、3の習慣を身につけることで、誠実さを開発し維持する。自分の内面の奥底にある価値観と一致するWinが何かを知り、主体的に計画を実行し、自分との約束を守ること。誠実さは、人格という基礎の要石なのである。
・成熟;勇気と思いやりのバランスがとれていることである。「相手の考え方や感情に配慮しながら、自分の気持ちや信念を言えること」人間関係論やマネジメント論、リーダーシップ論のどれをとっても、根底には勇気と思いやりのバランスをとる大切さがある。全ての関係者が充実した人生を生きられるようにすることが、リーダーの基本的な役割なのである。WinーWinを目指す人は、優しさと同時に厳しさを持ち合わせている。厳しさは勇気の1つ。相手の身になって考えるだけではなく、自信を持って自分の考えを述べなくてはならないのだ。

例えば、思いやりは深いけれど、勇気がない人間(自分)だったら、LoseーWinを考えてしまう。相手の立場や要望に気を遣うあまり、自分の立場を一言も口に出さずに終わってしまう。
・豊さマインド;この世にはすべての人に行きわたるだけのものがたっぷりあるという考え方、パラダイムだ。内面の奥深くにある自尊心と心の安定から湧き出るものである。名誉も評判も利益も、何かを決定するプロセスも、人と分かち合うことができる。こうして可能性、選択、創造力の扉が開かれるのだ。
豊さマインドを持つには、まずは第1、2、3の習慣を身につけ、個人としての喜び、満足感、充足感を得ていなければならない。それがあって初めて、他者の個性、望み、主体性を認めることができる。前向きに人と接することが自分の成長にとって無限の可能性をもたらすとわかっているから。
ほとんどの人が反対の「欠乏マインド」。パイは決まっていて、誰かが一切れ食べてしまったら、自分の取り分が減ってしまうと考える、人生をゼロサムゲームととらえる考え方である。→これでは手柄を独り占めし、名誉や評判、権力や利益をサポートしてくれた人とさえ分かち合おうとしない。だから、自分以外の人間の成功は喜べないマインド。他者の成功に嫉妬してしまう。自分の優位性を保とうとし、他者をコントロールしたくなり、自分の周りはイエスマンで固め、自分より強い人間は遠ざける。そのため相互を補完するチームの一員になるのは難しい。
WinーWinの人格を備えようとするときに、1番効果的なのは、WinーWinタイプの人に接してモデルやメンターにすること。態度を実際にみて学ぶ。例えばアンワル・サダトの「エジプトの夜明け」を読んだり、映画「炎のランナー」や演劇「レ・ミゼラブル」をみたりすることもWinWinを知るきっかけになるだろう。
しかし覚えておいてほしいのは、誰でも自分の内面を奥深く見つめれば、これまで従っていた脚本、これまで身につけた態度や行動を乗り越え、他のすべての原則とおなじように、WinーWinの本当の価値を自分の生き方で証明できるのである。
人間関係;人格の土台ができたら、WinーWinの人間関係を築いていくことができる。
WinーWinの人間関係の本質は信頼である。信頼がなければ、妥協となる。信頼は心を開いてお互いに学ぶことも、気持ちを理解し合うことも、本当の想像を発揮することもできるが、妥協ではできない。そんな関係は大きなシナジーを創り出す(第6の習慣)。協力的なポジティブなエネルギーが生まれる。
取引型リーダーシップから、変革型リーダーシップへ。
協定;人間関係を築ければ、WinーWinの中身を明確にし、そこに到るまでの道筋を示した協定を結ぶことができる。業務提携やパートナーシップ協定などと呼ばれ、人間関係のパラダイムは、上下関係から対等な立場で成功を目指すパートナーシップの関係に変わる。監督が歩きまわって目を光らせるのではなく、自分が自分のボスになり、自分を管理して行動するのである。
WinーWin実行協定の基本の枠組み=全面的なデリゲーション(任せる)の5つの要素と同じ
・望む結果ーいつまでに、何を達成するのか(手段を決めるのではない)期待
・ガイドラインー望む結果を達成するときに守るべき基準(規則、方針など)
・リソースー望む結果を達成するために使える人員、資金、技術、組織のサポート
・アカウンタビリティ(報告義務)ー結果を評価する基準、評価する時期。
・評価の結果ー達成度合い、貢献度合い、評価の結果としてどうなるのか。(4種→金銭的、心理的、機会、責任)
この5つの要素が満たされれば、WinーWinの協定は現実のものとなり、正式な「実行協定」となる。これらの基準を明確にし、関係者全員が了解して同意していれば、自分の仕事の結果が成功かどうなのかを1人ひとりが自分で判断できる。
ピータードラッカーは「マネージメントレター」というのを活用し、明記して上司に出す方法も進めている。
WinーLoseのパラダイムではいつも見張って管理しなくてはならないと思ってしまうのである。
間違った企業研修のプログラム→結果ではなく手段を重視していたこと。この銀行が研修の成果として何を望んでいるのかいま1つはっきりしなかった。受講者にどのような能力を身につけさせたいのか?研修の目的をはっきりさせた(経理部門では?マーケティングでは?不動産融資では?)最終には39の具体的目標と達成基準を決めた。→昇進と昇給の基準がはっきりしたので、研修生たちは意欲的になった。目覚ましい結果→組織の抵抗(上司)→さらに上の目標の設定→協力しながら簡単にクリアした研修生。6ヶ月の研修プログラムから5週間に短縮された。
パラダイムを見直し、WinーWinを真剣に目指す勇気があれば、このような考え方を組織のあらゆる活動に応用できる。
責任感があり主体的で、自己管理のできる人が自由裁量を与えられて仕事に取り組むとき、個人と組織にもたらされる結果に私は常に驚きを覚える。
WinーWin実行協定の根本的なパラダイム
手段ではなく結果に目を向けなければならない。私たちはとにかく手段に目がいきがちだ。使い走りのデリゲーションをやってしまうのである(いちいち手段を指図)。手段は本人の選択に任せることで、個々人の大きな潜在能力が解き放たれ、シナジーを創り出せる。このようなプロセスを踏めば、P(結果)だけにとらわれず、PC(結果を生む能力)を育てていくこともできるのである。ここでは当事者全員で相談して決めておいた基準に従って自己評価する。(基準を正しく設定しておきさえすれば、自己評価も正確にできる)
(「この授業で学ぶことはこれだ。A、B、Cの評定基準はこうなっている。私の目標は全員がAを取れるようサポートすることだ。」)良いWinーWin実行協定を確立することがマネージャーの最も重要な仕事である。それができていれば、スタッフはその取り決めの範囲内で自分の仕事を自分で管理できる。マネージャー、管理職、管理部門はより効率よく管理することができる。
結果に対する評価は基本的に4種→金銭的(昇給、手当て、罰金)、心理的(評価、承認、尊重、信頼)、機会(研修、権限、その他の恩恵)、責任(権限、職務範囲の拡大)
金銭的な結果よりも心理的な結果の方が意欲を引き出すことの方が多い。
WinーWin実行協定では、こうした結果を前もって決めるから、関係者全員が了解して仕事に入れる。先の見えないゲームではない。+その行動が組織にもたらす結果を明確につかんでおく必要もある。
これらの協定は、それらを結んだ当事者を解放し、自由にする力をもっている。パラダイム、人格、信頼関係の土台があれば、、、。
システム;いくらWinーWinと口では言っても、給与や報奨の仕組みがWinーLoseになっていたらうまく機能しない。会社のミッション・ステートメントに書いてある目標と価値観を実現し、組織に根付かせたいなら、報奨(報酬)などのシステムもその目標と価値観に合うものにしなければならない。
競争の原理もあるが、企業にとって、社内の協力は市場での競争と同じように大切である。WinーWinの精神は勝ち負けの環境では絶対に育たない。
多くの場合、問題があるのは人ではなくシステムの方である。いくら優秀な人材でも、悪いシステムに入れたら悪い結果になってしまう。企業の場合、経営陣がWinーWinの精神を持てば、有能な社員たちが一丸となって同業他社と競えるようにシステムを整えることができる。学校でも。
どうすればWinーWinの解決策までたどりつけるのだろうか?4つのステップ⬇︎
1、問題を相手の視点に立って眺めてみる。相手のニーズや関心ごとを当の本人と同程度に、それ以上に理解しようとし、言葉にしてみる。
2、対処すべき本当の問題点や関心事(立場ではなく)を見極め。
3、どんな結果であれば双方が完全に受け入れられるかを明確にする。
4、その結果に到達するための方法として新しい選択肢を見つける。
ここで理解しておいてほしいことWinーWinの本質はそのプロセスと強い相関関係にあるということ。つまりWinーWinのプロセスを踏まなければ、WinーWinの結果に到達することはできないのである。目標がWinーWinならば、手段もWinーWinでなければならない。このパラダイムは誠実で成熟し、豊さマインドを持った人格から生まれ、信頼に満ちた人間関係の中で育っていく。
第4の習慣:WinーWinを考える 実践編 簡略的に
1、近い将来誰かと何かを決める状況を思い浮かべる。
2、障害のリストアップ。
3、あなたの周りで協定を結びたいと思う人を選ぶ。相手の立場に身を置いて考え、自分の身においても、相手にも解決策が見つかるまで話し合うつもりはあるか聞いてみる。
4、人生において大切な人間関係を3つ選ぶ。彼らの信頼口座を増やすためには?アイデアを出す。
5、これまでのあなたの脚本は?どうであったか?なぜか?考えてみる。
6、困難な状況であっても、お互いのためになる結果を本気で探そうとしている人を手本にする。見習う。wーwの考えを身に付けられるように
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